時に「ギャグ」と評されるほどユーモアのあるラップスタイルと、硬いライミングスキルでヘッズからの人気も高いラッパーミステリオ。
過去にはフリースタイルダンジョンに3度出演し、輪入道や裂固、FORKなどのモンスターを倒すなど、大きな爪後を残したことでも話題になりました。
MCバトルでは持ち前のギャグセンスの高さで観客を湧かせ、もはや今のHIPHOPシーンに欠かせない存在となっているミステリオ。
しかし、その活躍の裏側にあるミステリオの苦しみを知る人は少ないのではないでしょうか。ミステリオの経歴やラップに込められた思いを知ることでHIPHOPをより深く楽しめることは間違いありませんよね。それでは早速チェックしていきましょう。
「ミステリオは〇〇という困難を、△△で乗り越えた。」
ミステリオのプロフィール
アーティスト名 | ミステリオ |
本名 | 不明 |
年齢 | 28歳(1995年11月11日 生まれ) |
身長 | 180㎝ |
出身地 | 大阪府堺市 |
拠点(レペゼン) | 大阪 |
学歴 | 高校卒 |
所属レーベル | 一二三屋(HFMC) |
ミステリオは大阪レペゼンの大人気クルー韻踏合組合のHIDADDYがオーナーを務めるレーベル「一二三屋(ひふみや)」に所属するラッパーです。
一二三屋はラッパーによるラッパーのためのお店としてショップも展開しており、ミステリオもよく店員として働いています。
ミステリオのラップスタイル
ミステリオのラップスタイルの特徴は何といっても、ユーモア溢れるギャグセンスの高いラップでしょう。
「カッコいいよりも面白い」を追求し続けるスタイルを徹底しているミステリオ。
U-22 MCBATTLE 秋の祭典 -vs OBs Dream match 2020にでMYと対戦した際にはバトル中に裏方のMC正社員を引きずり出すなど、突飛な行動をとることも珍しくありません。
このように一見ふざけているだけのように見えるミステリオのラップですが、ライミングスキルは高く、小説の最後では長い韻を確実に落とし観客をブチ上げるシーンも多く見られます。
ミステリオの名前の由来
ミステリオという名前を聞いて、映画スパイダーマンシリーズの適役を想像する人も多いのではないでしょうか。
ミステリオ本人は、その名前の由来について「アメリカのプロレス団体WWAに所属する人気レスラー、レイ・ミステリオ・ジュニアからもらった」と発言しています。
ミステリオはレイ・ミステリオ・ジュニアについて「昔から応援している大スターで、いつかレイ・ミステリオ・ジュニアに会うことが今の夢」だと語っています。
ヘッズの中指から始まるミステリオの人生
大阪府堺市に生まれる
高校2年生ころにフリースタイルバトルを見始める
高校の友人におふざけでラップをしかけるなど、ラップの真似事をしながら高校生活を送る
社会人1年目の頃、友人の紹介でサイファーに参加し始める
働いていた会社を退職し、一二三屋でアルバイトを始める
ラップ活動を本格化させ数多くのMCバトルに参加
2019年に1stアルバム「ライフイズギャグ」をリリース
「バセドウ病」により1年間の活動休止
2022年大手レーベルavexより新曲「笑おう feat.晋平太」をリリース
大阪府堺市に生まれる
ミステリオは1995年に大阪府堺市で生まれました。
父親は一緒に暮らしておらず、母親も仕事でほとんど家にいなかったというミステリオ。
一人っ子で遊び相手もいなかったというミステリオとずっと一緒にいてくれたのはおばあちゃんだったそうです。
ミステリオは自身のおばあちゃんについて
ずっとおばあちゃんが家にいてくれた。26年間一番長く時を過ごした。このツイートを見た子はおばあちゃんと一緒に住んでいるのなら優しくしてあげて
と投稿したこともあります。
高校2年生ころからフリースタイルラップに興味を持ち始める
ミステリオがラップに興味を持ち始めたのは高校2年生ごろのこと。
当時徐々にブームになりつつあったフリースタイルバトルをチェックしていたミステリオは、当時のクラスメイトに”Hey Yo!お前ラップできんのかよ”いう雰囲気でラップを仕掛けたそうです。
すると、その相手が既にラップをしており、そこから遊びでバトルの真似事を始めたというミステリオ。
その友達とは高校卒業後も連絡を取り続けており、社会人1年目にはその友達の紹介で初めてサイファーに参加することになります。
「久しぶりに俺もワンバースかますわ」とイキりながら参加したサイファーをきっかけに、ミステリオはラッパーとしての活動をスタートさせることになります。
一二三屋でアルバイトを始めラッパーとしての活動を本格化
サイファーをきっかけにラップを始め、大阪を中心としたバトルイベントに参加し始めたミステリオ。
初めてバトルに参加したのは2014年だったそうですが、ギャグを中心とするミステリオのスタイルは当初観客から受け入れられず、対戦相手だけでなくヘッズからも中指を立てられることが多かったそうです。
しかし、そんなミステリオの才能をいち早く察知したのが大阪を代表するクルー韻踏合組合のHIDADDYでした。
HIDADDYは自身が経営するレーベル兼ショップの一二三屋にミステリオをスカウト。その誘いを受けたミステリオは働いていた会社を辞め、一二三屋でアルバイトをしながらラッパーとしての活動を本格化させていきます。
その後、一二三屋でHIPHOPのいろはを教わりながらバトルに出続けたミステリオは徐々にプロップスを獲得し始め、フリースタイルダンジョンに3度も呼ばれるほどの人気ラッパーになっていきます。
バセドウ病を患い活動休止
1stアルバム「ライフイズギャグ」のリリースなど、順風満帆に見えたミステリオのラッパー人生。しかし2021年9月にその状況は一変してしまいます。
そのきっかけとなったのがバセドウ病の悪化。
元々疲れやすい体質や動悸など、原因不明の体調不良を感じていたミステリオですが、呼吸障害が起きるほど症状が悪化し、搬送先の病院でバセドウ病の診断を受けたそうです。
バセドウ病は甲状腺の腫大、頻脈、眼球突出などの症状に代表される病気で、サッカーの日本代表選手の本田圭佑さんなどが罹った病気としてご存じの方も多いのではないでしょうか。
幸い、ミステリオの症状は重くなく”薬でなんとかなるみたい”と投稿したミステリオですが、その後闘病の為、約1年間の活動休止を発表することとなります。
バセドウ病を乗り越え活動再開
バセドウ病との闘病生活を終えたミステリオがHIPHOPのシーンに返り咲いたのは2022年の4月のことでした。
まず4月6日に客演に晋平太を迎えた新曲「笑おう feat.晋平太」をリリースし復活を果たすと、同月9日には戦極10周年記念 BATTLE ROYALに参戦しバトルにも復帰。
”バセドウ病乗り越え完全復活”というパンチラインを繰り出し観客を湧かしました。
ミステリオはその後も精力的にバトルに参戦し続け、今では大規模MCバトルからも引っ張りだこの人気ラッパーとして活躍をつづけています。
ミステリオのベストバウトは?
ミステリオのpucho henza編集部の一押しバトルを紹介していきます。
①戦極MCBATTLE 第29章 両国国技館 ミステリオ vs DOTAMA
ブレイキングダウンへの参戦でも話題になったラッパーSATORUの代役として急遽出場したDOTAMAとの1戦。
開口一番”カッコいいバトル多いからおもろいの見せにきたぜ”とバイブス満タンのラップを披露すると、出場を辞退したSATORUのラップをサンプリングし”SATORUの代わりにはじくポップコーン”とミステリオらしいバトルを見せてくれました。
②SPOTLIGHT 2019 MC BATTLE ミステリオ vs JAKE
ギャグと熱さをミックスしたミステリオのラップがカッコ良すぎるおススメの1戦です。
ミステリオのスタイルも受け入れつつ、1人のラッパーとしてバチバチで会話しようとするJAKEのラップも最高に光っています。
③MRJ THIS IS TOKYO vol.2 ミステリオ vs ベル
普段はギャグラップが目立つミステリオが感情をむき出しにし、自身の過去や今を素直に語り続けたベストバウトです。
涙を流しながらラップするミステリオの気持ちに応えるベルもカッコ良すぎるバトルなので、ぜひチェックしてみてください。
ミステリオの人気曲は?
ミステリオの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
ミステリオの人気曲①「メイクマネー現代 (prod by DJ Ken)」
これまでの人生を振り返りながらも物事をポジティブに考えようとするスタンスが良く表れているミステリオの代表曲です。
ドラマチックなビートに乗せるシンプルでも思いのこもったミステリオのラップがエモい雰囲気の1曲です。
ミステリオの人気曲②「結婚したい (prod by CRD)」
ひたすらに結婚したいという思いをラップし続けるという、変わり種ですがミステリオらしさが詰まった1曲です。
独特なメロディーのサビとミステリオのダンスに思わず引き込まれ、中毒性を感じてしまいます。
編集部おすすめ曲「笑おうfeat.晋平太prod.MakeHitsBeats」
ミステリオの復活作として大手レーベルのavexからリリースされた1曲です。
聞いてるコチラまで楽しくなるのんびりとしたビートに乗せるラップと、最高の笑顔でMVに登場する数多くのラッパーに注目です。
ミステリオと仲のいいラッパー
お調子者で明るい性格のミステリオは、誰とでもすぐに仲良くなることが得意で、友達が多いラッパーとしても知られています。
今回はその中でも特にミステリオと仲が良いとされるラッパーを2人に絞って紹介いたします。
K-razy
ミステリオと同じく大阪出身で、JR大阪サイファーで共にスキルを高め合ったK-razyはミステリオと仲の良いラッパーです。
2019年の4月におこなわれた凱旋MRJフライデーでは2人でお揃いのTシャツを着用してバトルをし”K-razyとオレお揃コーデ”とラップしていました。
韻マン
ミステリオと同じく堺市中区出身で一二三屋のスタッフである韻マンもミステリオと仲の良いラッパーとして知られています。
ミステリオはTwitter(現X)に韻マンとのエピソードを投稿することが多く、そのことからも2人の仲が良い様子が伺えます。
気になるミステリオのアレコレ
ここまではミステリオの経歴やラップ、仲の良いラッパーから、その人となりを紹介してきました。
ここからはミステリオのファッションや彼女などについて、ネットで噂になっているアレコレな情報をさらに深掘って紹介いたします。
ミステリオのファッション
B-boyらしいルーズなファッションの印象が強いミステリオは、自身が働いている一二三屋のオリジナルウェアを着用していることが多いです。
さらに、服だけでなく髪型にもこだわっており、最近ではコーンロウスタイルでバトルに登場し、ヘッズの注目を集めました。
ミステリオの彼女
ミステリオはバトル中やSNSの投稿などで度々「彼女欲しい」と発言しており、彼女がいないことを匂わせています。
また、2018年におこなわれたBody BagでMC松島とアカペラバトルをした際にはバトル中に突然ラッパーのりるでびに告白をし、振られてしまうという事件もありました。
その後2023年7月におこなわれた戦極MCBATTLE 第30章ではSAMとのバトル中に”俺の元カノ山本舞香”と女優やモデルの山本舞香の名をネームドロップしたことも話題になりましたが、これは恐らくミステリオのウソだとされています。
ミステリオのサジェストワード「死亡」の真相
ネットでは時々『ラッパーのミステリオについて調べようとGoogleで「ミステリオ」と検索すると、そのサジェストに「死亡」というワードが出てきて驚いた』という声を聞くことがあります。
ではなぜ今も元気に活動を続けているミステリオのサジェストワードに「死亡」が表示されるのでしょうか。
その真相は人気映画「スパイダーマン」に登場する適役のミステリオが作品内で死んでしまうということに関連していると思われます。
またスパイダーマンに登場するミステリオについて「実は生きているのではないか」などのネット考察も盛り上がっているため、ラッパーのミステリオを調べようとGoogle検索をおこなうと「死亡」というサジェストワードが出てくるようです。
ミステリオのこれからの野望とは?
ここまではミステリオに関してネットで噂になっているアレコレに関しての情報を紹介してきました。
最後にミステリオが今後、どのような目標をもってラッパーとしての活動を続けていくのかに焦点を絞り、ミステリオの野望を彼の語った言葉から紹介していこうと思います。
カッコつけずに面白いことをやりたい
ミステリオはバトル中に度々「カッコいいよりも面白いものを見せたい」というラップをすることでも知られています。
関西人として「面白い」と言われたいというミステリオは、自身のギャグラップというスタイルを追求し続け、日本のHIP-HOPシーンには無くてはならない存在になっています。
最近でも日本一のラッパーを決めるためのMCバトル大会UMBの大阪予選にエントリーを続けているミステリオ。
いつかはお笑いの街大阪を代表するラッパーとしてミステリオがUMBの本選に出場する姿を見れるかもしれません。
ラッパーミステリオまとめ
「ミステリオはギャグラップが受け入れられないという困難を、自分を認めてくれる先輩との出会いで乗り越えた。」
バトルを始めた当初は自身の目指すギャグスタイルを受け入れてもらえず、現場で中指を立てられ続ける毎日だったというミステリオ。
しかし、そんなミステリオのスタンスや才能を認め、一二三屋に誘ってくれた先輩HIDADDYの存在もあり、ミステリオのラップは徐々に周りから認められていくようになります。
今では大規模MCバトルからも引っ張りだこで、日本のHIP-HOPシーンには欠かせないものになったミステリオの存在。
熱いバイブスを持ち「カッコいいよりも面白いものを見せたい」とふざけ続けるミステリオの活躍を楽しみながら、今後も日本語HIP-HOPを楽しんで行きましょう。