レゲエとラップは日本で最も注目されている音楽ですが、その違いを知っていますか?似たようなリズムや歌詞の特徴があり、レゲエとラップはしばしば混同されることも・・・
しかし、実はレゲエとラップには明確な違いがあります!
本記事では、レゲエとラップの違いについて詳しく解説します!
「レゲエとラップは発祥国やビート、DJに大きな違いがある」
レゲエとラップについて
レゲエとラップの違いを知る前に、まずは概要からお伝えします。
どんな違いがあるのか想像してみてくださいね!
レゲエとは?
レゲエとは、ジャマイカ発祥の音楽ジャンルで、スカやロックステディから派生しています。レゲエは、1970年代初頭に本格的に誕生して以降、世界的に人気な音楽となりました。
レゲエはもともと、ジャマイカ文化や黒人文化から誕生した音楽です。レゲエは、力強くリラックスしたビートと明るい歌詞がゆえに、世界中の人々から愛される音楽の一つに成長しました。
ラップとは?
ラップは、ヒップホップ文化の一部であり、その歴史は1970年代初頭にアメリカのブロンクスで始まりました。通常、バックグラウンドにはビートやトラックが使用されます。
ラップの歌詞は、時には社会問題、時には自己表現、時には自慢や誇示を扱ったものがあります。また、ラップはしばしば、DJのスクラッチやサンプリングなどでも用いられることが多いことも特徴の1つです。
その他の類似ジャンルは?
レゲエはスカ・ロックステディ・ルーツ・ダンスホールという4つのジャンルに分けられます。一方で、実はラップはHIPHOPというジャンルの1つで、ヒップホップはラップ、ブレイクダンス、グラフィティ・アートに分けられます。
レゲエ:スカ・ロックステディ・ルーツ・ダンスホール
ラップ:ブレイクダンス、グラフィティ・アート
レゲエとラップの違いは?
レゲエとヒップホップの違いはどこにあるのでしょうか?
具体的に異なる3つの要素を解説していきます!
①発祥国|レゲエはジャマイカ、ラップはアメリカ
レゲエとは、ジャマイカ発祥の音楽なのに対し、ラップはアメリカ発祥の文化です。
それぞれ、発祥国の歴史的文化に違いがあるため、歌詞で表現されることが異なることも特徴的です。
レゲエは、元々はジャマイカの貧しい地域で生まれた音楽であり、社会の不満や抑圧に対するメッセージを歌詞に込めている。特に、貧困、人種差別、政治的抑圧、暴力などのジャマイカでの社会問題を取り上げることが多いです。
また、レゲエの歌詞には、キャッチーなフレーズがよく使われる。これは、聴衆が簡単に覚えられるようにするためであり、反復して用いることでより強い印象を与えます。
ラップは、元々はアフリカ系アメリカ人の若者たちによって生み出された音楽であり、口才や言葉遊びを重視した詩的な表現が特徴です。歌詞には、多様な表現方法が用いられ、リズムや韻律を重視した言葉遊びも含まれます。
また、ラップの歌詞は、しばしば個人的な経験や感情を表現することがあります。アーティストが自分自身の体験や思いを表現することで、聴衆に共感を呼び起こすことができます。
②ビート|レゲエは偶数拍を強調、ラップは4つ打ちのリズム
レゲエとラップの拍での違いは、強調する拍数にあります。まずはこちらをお聞きください。
レゲエのビートは、強調されたダウンビート(2拍目)に乗せた、オフビート(4拍目)に乗せたリズムが特徴的です。また、レゲエの歌詞は、社会問題、愛、神への賛美などの特徴があります。
ラップとレゲエの拍数は、基本的に同じ4分の4拍子(4/4拍子)です。
ただし、レゲエの場合は、スカやロックステディといったジャマイカの伝統的な音楽から発展してきたため、よりリラックスしたゆっくりなテンポの曲も多くあることが違いです。
一方、ラップの場合は、より高速で16ビートのリズムに合わせて歌われることがレゲエとの違いです。
ラップについてはこちらをお聞きください。
レゲエとラップを融合させたジャンルも存在し、レゲエとラップのリズムが組み合わさって独特な音楽を生み出します。
③DJ|レゲエは歌う、ラップは歌わない
レゲエとラップのDJには、音楽を制御するためのスキルや役割において違いがあります。レゲエのDJは、ラップのDJとは異なるDJスタイルです。レゲエの場合は「セレクター」と呼ばれるDJが、曲を選曲することが一般的です。
また、レゲエのDJは、ラップのDJに比べて、曲に対する意見が多いことも特徴的です。レゲエのセレクターは、曲を流しながら、その曲についての解説を行うこともあります。これは、レゲエの曲には、時に政治的なメッセージや社会批評が含まれることがあるため、その曲の思いを観衆に伝えるためです。
レゲエのライブでは、セレクターが曲を流しながら、もう1人のDJ(MC)が前に出てきて、曲に合わせてラップをすることもあります。レゲエのDJのスタイルは、ラップのDJとは異なりますが、レゲエのライブやパーティーでは、セレクターとMCのコンビネーションによって、会場を盛り上げることがあります。
レゲエの代表曲は?
レゲエといえば、誰もが一度は耳にしたことがある代表曲がたくさんあります。今回は、その中でも特に有名なレゲエの代表曲を3つご紹介します。
①「One Love」 / ボブ・マーリー
レゲエの神様であるボブ・マーリー。代表曲である One Love にはボブ・マーリーに思想であるジャマイカのラスタファリニズムを表現しています。
危険な思想だとしてジャマイカでも迫害を受けていたラスタファリニズムを広め、迫害の歴史や内戦を経験した彼が残した名言があります。「もう言葉は充分だろ。今すぐ、行動に移そう」。
②「Life time Respect」 / 三木道三
③「みどり」 / CHEHON
ラップの代表曲は?
ラップといえば、誰もが一度は耳にしたことがある代表曲がたくさんあります。今回は、その中でも特に有名なラップの代表曲を3つご紹介します。
①「知らざあ言って聞かせやSHOW」 / TOKONA-X
②「BUDS MONSTAGE」 / 舐達麻
③「Pellicule」 / 不可思議wonderboy
まとめ
本記事ではラップとレゲエの違いを「発祥国」「ビート」「DJ」の観点から解説しました。
レゲエにもラップにも派生ジャンルの音楽が存在します。
色んな音楽を聞く中で、文化や曲調の違いを楽しんでください!