高音ボイスのラップで人気を集めた、BAD HOPのVingo。2025年4月には1stソロアルバム『VINNY』をリリースし、ソロとしても注目を集めています。
彼がヒップホップにのめり込んだきっかけは、エミネム主演の映画『8mile』。才能はすぐに頭角を現し、人気グループの一員としてキャリアを築いていきます。
ただ、その道のりは順風満帆ではありません。BAD HOP以前に所属していたグループでは、温度差や方向性に悩み、葛藤を抱える日々もありました。そして2024年、BAD HOPが東京ドームでのラストライブをもって解散。Vingoがこれからどんな音楽を届けていくのか、ファンの期待は高まるばかりです。
Vingoの背景にはどのような物語が隠れているのか見ていきましょう。それでは早速Check it out!
「Vingoは〇〇という困難を、△△で乗り越えた。」
Vingoのプロフィール

アーティスト名 | Vingo |
本名 | 阿部 慎之助 |
年齢 | 29歳(1996年1月5日生まれ) |
身長 | 170cm |
出身地 | 東京都大田区 |
拠点(レペゼン) | 川崎 |
学歴 | 高卒 |
所属レーベル | BAD HOP Records |
東京都大田区で生まれたVingoは東京で活動していましたが、BADHOPのYZERRと出会ったことで拠点を川崎に移します。
本名の阿部 慎之助は野球選手と同姓同名なことから、予約名で使わないようにとメンバーからいじられる対象となっていました。
Vingoのラップスタイル
vingoのラップは自由奔放であり、ナンパを得意とする彼のスタイルが如実に表れます。彼のラップはT-pablowによって「飛び道具」と形容され、その存在感は個性派揃いのBADHOPの中でも際立つでしょう。
また、レゲエの偉大なる神様であるボブ・マーリーを崇拝し、その影響をラップにも感じさせます。彼の高音のラップは特に顕著であり、その独特の声質が彼の個性です。
Vingoの名前の由来
Vingoの名前は、YZERRが彼を指して「Vingoっぽいな」と発言したことがきっかけです。かつてはCROWNとして活動していましたが、YZERRの発言を受けて改名しました。
また、グループ名であるBADHOPは、初期メンバーが初めて参加した川崎のヒップホップイベントの名前がそのまま使われています。
ミシュラン1つ星から始まるVingoの人生

東京都大田区に生まれる
ミシュラン1つ星の飲食店を経営する父親
メンバー唯一の東京出身であるが中学の情報は公開されていない
映画8mileをきっかけにラップにはまる
AKLO、ISH-ONEの影響で日本語ラップにのめりこむ
300万円の借金を背負う
ライブ会場でYZERRと知り合い仲良くなる
Tokyo Young Visionを離脱しBADHOP加入
横浜アリーナ無観客ライブ〜横浜アリーナ2度の公演延期
BADHOPの解散
2025年4月29日に1stソロアルバム『VINNY』をリリース
映画8mileをきっかけにラップにはまる
Vingoがラップにはまったきっかけは、高校時代に父親が借りてきた映画「8mile」を見たことにあります。この映画を通じて、ラップの凄さに感銘を受け、その世界に没頭しました。
最初はエミネムに魅了され、日本語ラップには興味を示しませんでしたが、後にAKLOやISH-ONEの存在を知り、日本語ラップの魅力に気付きます。
同時期に、Youtubeにアップロードされていた高校生ラップ選手権で活躍していたT-PablowやYZERRにも感銘を受け、彼らの活動が彼のラップへの情熱を一層高めました。
300万円の借金を背負う
YZERRが語るVingoが300万円の借金を背負ったエピソードは、彼の人柄をよく表しています。当時17歳ぐらいのVingoは地元で友人と仕事をしていましたが、その友人が300万円を持ち逃げしてしまいました。
友人に代わってVingoが300万円を返済することとなります。この行動からは、彼の男気が感じられ、正義感に溢れていることが分かります。
若干17歳でありながら、友情や責任を負い、自らの行動で困難に立ち向かうVingoの姿勢は称賛に値するでしょう。
Tokyo Young Visionを離脱しBADHOP加入
VingoがTokyo Young Visionを離脱しBADHOPに加入した経緯は、ラップキャリアでの重要な転機でした。彼はTokyo Young Visionの創設者として活動していましたが、グループメンバーのHIPHOPに対する動きの遅さに不満を感じます。
この不満が活動意欲を鈍らせ、最終的にグループを辞める決断を下すことになりました。その後、クラブイベントで仲良くなったYZERRから、BADHOPへの加入を誘われます。
YZERRは、彼に対して「どうせ辞めるならうちにこい」と誘いかけ、VingoはBADHOP唯一の東京出身として加入することになりました。Vingoは新たなチャレンジを受け入れ、BADHOPというグループで自身の才能をさらに開花させることになるのです。
コンピレーションアルバム『BAD HOP ERA』
BAD HOPは2014年にコンピレーションアルバム『BAD HOP ERA』を発表。このアルバムは、BADHOPのキャリアの始まりを象徴するデビュー作品であり、彼らの音楽的な進化を示すものでもありました。
最初は無料でCDを配布し、フリーでダウンロード可能な形で曲を広めています。その後、2016年には『BAD HOP 1 DAY』をリリースし、収録曲「Life Style」はYouTubeで2000万回以上再生される大ヒットとなりました。
横浜アリーナ無観客ライブ〜横浜アリーナ2度の公演延期
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で横浜アリーナでのライブが無観客で開催され、YouTubeで生配信されます。この際、完売したチケットの全額払い戻しを行い、約1億円の負債を抱えることになりました。
その後、2021年に横浜アリーナでライブのリベンジを試みましたが、再び新型コロナウイルスの影響で公演が延期。これらの公演延期は、アーティストやスタッフ、ファンにとって大きな挑戦でありましたが結果として大きな負担が生じました。
しかし、そのような困難な状況の中で、横浜アリーナでの公演を果たすことを目指す姿勢は、アーティストや関係者の決意とファンへの熱い思いを示しています。
BAD HOPの解散
BAD HOPは2024年2月19日、BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOMEにて解散を発表しました。この日をもって、彼らの10年に及ぶ活動が幕を閉じます。
解散のニュースはファンや音楽業界に衝撃を与え、彼らの功績を称える声が広がりました。また、解散の直前に、BAD HOPがYoutubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演したことも話題を呼んでいます。
Vingoの人気曲は?
Vingoの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
Vingoの人気曲①「Kawasaki Drift」
BADHOP初の全員参加の楽曲。1バース目を担当するのがVingoです。YZERRのキャッチーなフックのあとに高音ラップで初めから飛ばしていきます。
Vingoの人気曲②「Friends feat. Vingo, JP THE WAVY, Benjazzy, YZERR & LEX」
イントロとコーラスをVingoが担当した楽曲。「ジグノビートガキキタイナ」とプロデューサーのJIGGを指したユーモアのあるイントロとなっています。
Vingoの人気曲③「BAD HOP HOUSE IN ZEPP TOKYO “Diamond” – feat. YZERR & Vingo」
ステージ上にいる自分達をたくさんのお客さんがiPhoneで照らしている光景を歌った楽曲。この数ヶ月後に武道館ライブを達成しているところが有言実行といえるでしょう。
Vingoの人気曲④「Vingo – IKANAIDE prod.foux」
Vingoのソロ曲「IKANAIDE」は、アルバム『VINNY』の先行リリースとして話題に。fouxプロデュースの切ないビートに、Vingoのリアルな感情がぶっ刺さる一曲。別れの痛みや葛藤を描いたリリックは、多くのリスナーの心に響いています。
編集部おすすめ曲「Last Party Never End feat. Tiji Jojo, YZERR, Yellow Pato & Vingo」
解散発表後に公開された楽曲。幼なじみ達との最後のパーティーと解散へ向かうBAD HOPを連想させる曲になっています。儚い雰囲気とBAD HOPそれぞれのラップがマッチした楽曲です。
Vingoと仲のいいラッパー

Vingoは尊敬している仲のいい先輩だと語るNOVと、VingoをBADHOPに加入させるきっかけとなったYZERRそれぞれを紹介します。
NOV
「ラップスタア誕生!2022」で急激に名前を挙げたラッパーNOV。本格的に音楽を始めてわずか1年半で注目される存在にまで上り詰めたラッパーです。
人を傷つけることは無意味なことだとVingoに教わったことを語っています。
YZERR
YZERRとVingoは、深い信頼と友情で結ばれた関係です。YZERRはVingoがBAD HOPに加入するきっかけとなった人物で、Vingoの才能や個性を高く評価しています。
YZERR自身も高校生ラップ選手権で活躍し、オリジナリティあふれるフロウやリリックセンスにあふれる人気ラッパーの1人です。

気になるVingoのアレコレ

気になるVingoのアレコレを紹介していきます!
Vingoのファッション
Vingoのファッションは、主にBALENCIAGAやCHROME HEARTSなどの高級ブランドを愛用しています。BALENCIAGAはラグジュアリーブランドであり、幅広い年齢層に人気があるブランドです。
彼のスタイルには、その洗練されたデザインとモダンな雰囲気がマッチしているでしょう。また、CHROME HEARTSもVingoが好んで愛用しており、シルバーアクセサリーで有名なブランドですが、彼はそのウェアをよく着用しています。
Vingoのファッションは、高級感とカジュアルさを巧みに融合させ、彼の個性を際立たせるために欠かせないアイテムです。
Vingoの父親
Vingoの父親は、銀座にある「喰善あべ」のオーナーシェフです。彼はZEEBRAとのインタビューで、「一押しグルメ」を聞かれた際に、自身の父親が経営するこの店を語っています。
この店はミシュラン1つ星を獲得しており、高い評価を受けている店です。Vingoは自身の父親が営むレストランを誇りに思っていることがインタビューから分かります。
Vingoのドレッドヘアー
Vingoの特徴的な髪型としてよく挙げられるのが、ドレッドヘアーです。彼はYZERRとの出会いの際、ツイストパーマにバケットハットを被っていましたが、「ダサいな」と一蹴され、その言葉をきっかけに髪型から服装まで一新しました。
以降、彼のドレッドヘアーは彼の個性やスタイルを象徴するものとなり、彼のラップキャリアにおいても欠かせないアイコンとなっています。
Vingoの彼女
Vingoと熱愛が噂されたのがインフルエンサー、モデルとして活躍している「ぴょな」。ですが、この情報はインスタ相互フォローとなり、Vingoがぴょなの投稿にいいねしていたというだけで広まった噂で、信憑性はありません。
Vingoのこれからの野望とは?

BAD HOP解散後、ソロアーティストとして動き出したVingo。解散翌日に公開されたYouTube動画では、YZERRやT-Pablowが「BAD HOPを未来に残すための解散だった」と語り、その言葉が大きな話題を呼びました。
一方でVingo自身は、動画内で今後の展望について多くを語ることはなく、むしろ沈黙が注目を集めました。しかし、その数週間後にはソロアルバム『VINNY』のリリースを発表。先行シングル「楽笑」や「IKANAIDE」では、これまでのBAD HOPとは一線を画すサウンドとリリックを展開し、音楽的な進化を感じさせています。
リリックに込めるリアルな感情、そして日本語ラップの“メロディック”な側面へのこだわり。Vingoは「東京発のニュースクール」として、アンダーグラウンドでもメジャーでもない、自分だけのポジションを築きつつあります。
今後どんなフィーチャリングやライブでその野望を見せてくれるのか──Vingoの“第二章”は、まだ始まったばかりです。
ラッパーVingoまとめ
「Vingoはメンバーとの確執という困難を、環境を変化させることで乗り越えた。」
Vingoはラッパーとして高音の癖になるフロウで音に遊びながら乗るラップを披露しています。自由奔放なライフスタイル、ラップスタイルのVingoですが過去に立ち上げたグループでメンバーとの温度差から悩んで一度は辞めてしまったこともありました。
「周りのメンバーと考え方が合わない」という悩みは、誰もが持っているものです。
そんな方は、Vingoのように①自分の環境を変えてみること。
そして、②自分に合った環境に巡り合えた時に、楽しんで自分のスタイルを貫くことで、
どのような困難や悩みでも乗り越えていけるでしょう。
まずはBAD HOPの代表曲で1バース目からVingoがかっこいいラップを聴かせてくれる「Kawasaki Drift」を聴いてみてください!
BADHOP解散後も、ラッパーとしてさまざまな挑戦を見せてくれるであろうVingoの活躍から目が離せません!