一躍脚光を浴びた「Easy Breezy」や、日本郵政、爽健美茶など数々のCM曲を手掛けていることで知られ、
Rachel(レイチェル)とMamiko(マミコ)からなる女性2人組で結成されたラップユニットchelmico。
「無理をせず自分たちが楽しむこと」を大事にしている彼女たちの、聴いていて心地いい楽曲や、
2人のキュートなルックス、おしゃれなファッションなどが、全国的にムーブメントを巻き起こしています。
2018年ワーナーミュージック・ジャパンのunBORDEで、ラッパーとしてメジャーデビューを果たし、
ライブ活動や楽曲リリースと並行して、テレビ番組出演、ラジオMCなど幅広く活動しています。
chelmicoの躍進は、とどまることを知りません!
ラッパーchelmicoの結成秘話や、彼女たちの魅力に迫っていきます。それでは、Check it out!
「chelmicoは〇〇という葛藤を、△△で乗り越えた。」
ラッパーchelmicoのプロフィール
アーティスト名 | chelmico(ちぇるみこ) |
本名 | Rachel 渡賀レイチェル (わたしがれいちぇる) Mamiko 鈴木真海子 (すずきまみこ) |
年齢 | Rachel 30歳(1993年7月4日 生まれ) Mamiko 27歳(1996年6月26日 生まれ) |
身長 | Rachel 173㎝ Mamiko 162㎝ |
出身地 | Rachel 神奈川横浜市 Mamiko 東京都あきる野市 |
拠点(レペゼン) | ー |
学歴 | Rachel 高校卒業 Mamiko 高校卒業 |
所属レーベル | ワーナーミュージック・ジャパン unBORDE |
Rachelは、1993年に神奈川県横浜市で生まれた 29歳。
Mamikoは、1996年に東京都あきる野市で生まれた26歳。
生まれた場所も年齢も異なるふたりが、どのように運命的な出会いを果たしラップユニット結成に至ったのか。徐々に明らかにしていきましょう!
chelmicoのラップスタイル
chelmicoのラップスタイルは、ハードさや威圧感をあたえないフロウが、心地よく弾むビートに溶けていくような、ゆるさのあるラップが特徴です。
気取らない2人のありのままを表現したリリックは、聴き手の張り詰めた心も溶かし、リラックスさせます。
彼女たちに共通している「純粋に好きなラップを楽しみたい」という想いから、
等身大の自分を表現し無理をしないのが、chelmicoのラップスタイルとなっています。
chelmicoの名前の由来
「chelmico」は、「チェルミコ」と読みます。Rachel(レイチェル)とMamiko(マミコ)によるラップユニットということで、お気づきの方もいるかとおもいますが・・・
chelmicoは、Rachelの「chel」とMamikoの「miko」をとって合わせたというのが名前の由来です。お笑いコンビのような軽いノリでつけたそうです。
なんとも彼女たちらしい名前の由来ですね。
軽いノリでつけたといえども、彼女たちの自然体でキュートな印象をより引き立ててくれる可愛らしいユニット名ですし、やはりもともと優れたセンスの持ち主なのでしょう。
運命的な出会いから始まるchelmicoの人生
2人は、横浜と東京の田舎という全くちがう環境で生まれ育つ。
2人とも控えめな学生だった。
2人ともありのままの自分を素直に出せず、高校生活を過ごした。
共通の友達にモデルとして呼ばれ、撮影現場でRachelとMamikoは初対面する。
Rachelの誘いで「chelmico」を結成し、ステージでラップを初披露する。
Mamikoは、chelmicoとしてラッパー活動を続けながら大学に進学するも、半年で大学を辞める。
2015年、2人で作詞作曲した「ラビリンス’97」をリリース。
2016年、1stアルバム「chelmico」リリース。
同年、ワンマンライブをきっかけに、数々の有名企業のCMソングを手掛ける。
2017年デビューアルバム「POWER」リリース。Mamikoのソロ活動もはじまり「鈴木真海子」として楽曲リリース。
2018年unBORDEよりメジャーデビューを果たす。
Rachel結婚&妊娠発表。
2022年4thアルバム「gokigen」リリース。
Rachelの幼少期
Rachelは、神奈川県横浜市で生まれ、家族が解散して孤児院で育ったことを明かしています。
家族関係について、あまり多くは語られていませんが、幼少期の母親との楽しい思い出は、色濃く彼女の心に残っているようです。
Rachelは、低学年のころ友達が少なくいつも本を読んでいました。小4になると近所のお姉さんの家で、はじめてRIP SLYMEを聴いて彼らのかっこよさに衝撃を受けます。そこから、ラッパーというジャンルにハマっていき、リップ好きの友達と一緒にラップをしながら下校したこともあったそうです。
中学に入ると、ASIAN KUNG-FU GENERATIONに出会い、ロックやパンクにも興味を持ちます。友達とコピーバンドを組みアジカンをコピーしたり、自分で作詞作曲をしてみたり、とことん音楽と向き合う時間を楽しみます。
高校でも、ロックやパンク熱は冷めやらず「パンク以外の曲はゴミだ」「流行りのポップを聴くようなやつに自分の精神性はわからない!」と、教室でずっとノートに絵を描いて過ごします。
mamikoの幼少期
mamikoは、東京都あきる野市で生まれます。幼いころから、あまり感情を表に出さない、控えめな性格だったそうです。年が離れた兄2人の趣味である音楽やお笑いなど、同世代の子がまだ知らないような事を兄たちから教わり、存分に影響を受けて育ちます。
Mamikoは、兄たちから音楽やカルチャーを教わり、同じくRIP SLYMEに衝撃を受けます。その後ラップやサブカルバンドを好んで聴いていました。
学校は、大学までエスカレーター式で「基本的に普通が正義」という風潮があったため、波風を立てないよう周りと意見を合わせ、同世代の女子とは一風変わった自分の音楽を友達に共有することはありませんでした。
帰宅部だったため家に帰ってから、家族間で趣味を存分に楽しんで過ごしていたそうです。高校に入ってからは、友達とカラオケに行っても恥ずかしくてラップは歌えず、友達に合わせて流行りのヒットチューンを歌っていました。
2人の運命的な出会い
ここまで別々の人生を歩んできた2人ですが、とある撮影現場にモデルとして呼ばれ、その現場で、RachelとMamikoが運命的な出会いを果たすことになります。
なんとその現場に2人を呼んだのは、お互いの共通の友達だったそうです。
2人は人見知りだったため、2回目の現場に呼ばれたときにお互い「RIP SLYME」が好きだということがわかり一気に意気投合し、よく遊ぶようになります。
ラッパーの道に進むまでのそれぞれの葛藤
Rachelは、高校卒業あたりからプライベートが大変な状況に陥り、音楽から離れた生活を送ります。そのなか、講談社主催の女性アイドルオーディションを受け「ミスiD」に選出されます。
Twitterで「ラッパーになりたい」と冗談で投稿すると、その投稿がミスiDオーディション主催者の目にとまり、「シブカル祭でラップをしてほしい」と依頼されます。
さらに、その当時好きだった人に「Rachelはラップをやったほうがいいよ」と言われ「好きな人に言われたらラップやるしかない!」と俄然彼女の心にヤル気がみなぎります。
そのころMamikoは高校3年生、写真や映像が好きで、美大進学を視野に入れ受験勉強に励みます。しかし、「本当に大学に行きたいのかな?」という自問や、正しいレールにのることへの反発心が生まれ、悶々とした葛藤の日々を送ります。
そこで、Rachelからの「一緒にラップをしよう!」という誘いがきます。Mamikoは、一度断るも「すべてをぶち壊したい!」というやけくそな気持ちがあり、悩んだ末にその誘いを受けることにします。
そして、一度きりと決めてラッパー「chelmico」を結成。2014年、渋谷パルコで開催された「シブカル祭」の舞台でラップを初披露します。2人のパフォーマンスは思いのほか好評で、その後もライブのオファーがあとを絶ちません。
chelmico結成からの快進撃
chelmico結成の翌年の2015年から、インターネット上で自主制作した曲「ラビリンス’97」を発表するなど、着実に活躍の幅を広げていきます。
ラッパー活動を続けながら大学に進学したMamikoは、母親に反対されつつもRachelと本格的にラッパーとして活動する決意をし、半年間の大学生活に終止符を打ちます。
ワンマンライブの開催をきっかけに、2016年頃から一気に注目を集め、chelmicoの人気はラッパー界にとどまらず、さまざまなジャンルでも評価されます。
メジャーデビュー
2018年、アルバム「POWER」をリリースし、ワーナーミュージックジャパン「unBORDE」よりメジャーデビューを果たします。このアルバムは、ハマ・オカモト、なかやまきんに君、U-zhaan、PARKGOLFなど数々の有名アーティストが参加しています。
chelmicoデビュー後は、テレビドラマや、アニメ、映画などのタイアップ曲の制作など、多方面から楽曲制作に携わるようになります。ラジオやテレビ番組の出演も増え、彼女たちのルックスや人柄が世間に露わになり、全国で爆発的な人気を得ていきました。
また、Mamikoは本名の「鈴木真海子」として楽曲をリリースするなど、ソロでのラッパー活動も精力的に行っています。おしゃれでメロウな曲調に、彼女の得意とする滑らかなラップが魅力的です。
2021年3月には、Rachelの結婚妊娠の報告とMamikoの一言が、Twitterに投稿され話題になります。おめでたく微笑ましい報告とともに、当時のコロナ蔓延を受け混乱する人々を気遣ったRachelのやさしさが伺える言葉で締めくくられました。
chelmicoの人気曲は?
chelmicoの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
chelmicoの人気曲①「Easy Breezy」
2020年にリリースされたシングル曲で、きゃりーぱみゅぱみゅのMV監督として知られる田向潤がMVを担当し、youtubeにMVがアップされると、またたく間に再生回数が上昇し話題を呼びました。
メロディアスなギターソロからはじまり、明るく軽快なリズムと爽快なラップで誰でも口ずさみやすい、人気不動の一曲です。
chelmicoの人気曲②「Honey Bunny」
2017年リリースのミニアルバムの1曲で「毛布にくるまってもう何もしたくないよ」というフレーズが印象的です。メロウな心地いい曲調にのせて歌う彼女たちのゆるいラップと、けだるさを表わすようなリリックは、2人のリアルな日常も感じられます。
慌ただしい日々でも「何もしたくない日があってもいいじゃん!」と2人が言ってくれているような、聴き終われば前向きな気持ちになれる楽曲です。
chelmicoの人気曲③「Love Is Over」
ファンの間でも、至極の名曲。こちらも軽快なリズムの爽快なアッパーチューンです。
かっこいいラップパートとメロディアスなパートに変わる「さあパジャマを脱いで、あの町へと出かけよう」という部分の切り変わりがさすが!と聴き手を唸らせます!
「愛したい!恋したい!でも愛されたい!」というリリックも、名言のように聴き手の胸に刻まれることでしょう。
編集部おすすめ曲「Contact -TOSHIKI HAYASHI(%C) remix-」
chelmico・Mamikoではなく鈴木真海子として初となるソロEPアルバム「Deep green」の中の、DJ/トラックメイカー・Toshiki Hayashi(%C)がリミックスした楽曲です。
真海子のハスキーな声質とラップのゆるさを際立たせる、ゆっくりとした曲調やピアノの音源がなんともエモーショナルで、聴き手の心をグッと掴む、おすすめの一曲です!
映画の映像のようなMVは、せつない女子の心情を表現した細かい描写がリアルで、一気に曲の世界観に引き込まれます。
chelmicoと仲のいいラッパー
とにかくアーティストとの交友関係が広い、みんなから愛されるキャラクターのchelmicoのお2人ですが、その中でもラッパー活動を後押ししてくれた、彼女たちのキーパーソン的な友人をご紹介します。
GOMESS
「高校生RAP選手権」で準優勝したラップスキルの持ち主。
chelmicoとして、ラップ活動を始めるきかっけとなった「シブカル祭」で披露するラップのリリックをGOMESSに書いてもらい、さらに彼からヒイラギペイジの紹介を受け、その流れで自主制作アルバム「ラビリンス’97」のトラックを作ってもらったそうです。
パブリック娘。
パブリック娘。齋藤辰也が、あちこちで「chelmicoいいよ!」と伝えていってくれたことで、chelmicoのラップ活動の幅を広げてくれたそうです。
chelmicoの楽曲制作に欠かせない名トラッカーたちの存在は、友人の紹介から広がり、また大切な友人として繋がっていったのです。
気になるchelmicoのアレコレ
2人の魅力をさらに知るべく、chelmicoの素顔にぐっと迫ってみましょう!
chelmicoの性格
chelmicoが語る、2人にしかわからないお互いの性格をご紹介いたします。
Mamikoから見たRachelは「真面目で勉強熱心、行動力があり周りを巻き込み引っ張っていく力がある。優しい部分も面白い部分も乙女要素もある。」とのことです。
Rachelから見たMamikoは「冷静で直観力が優れていて、Racheが迷ったときに頼りになる存在。のほほんとしているけど、好きなものとそうでないものを一瞬で見分けるタイプ。そして綺麗好き。」とのことです。
2人とも共通して思うchelmicoのキャラクターは、「アーティストの中でうちらが一番気さく」「お酒が好きで飲むと熱くなる」ということでした。
chelmicoのファッション
chelmicoの楽曲は、等身大の自分のリラックスしたリリックなので、第一にファッションも「ラクな格好」を意識しているんだとか。私服も、白Tにジーンズやオーバーオールなど、リラックスしたスタイルが多く、私服がそのままラッパー活動での衣装になっています。
決して手を抜いてるわけではなく、シンプルの中にもデティールや、柄物、こだわりのアクセサリーなどで「遊び心」を忘れていません。chelmicoを様々な媒体で見かけても、おしゃれ度は一目瞭然です!
chelmicoの趣味
chelmicoはお互いRIP SLYMEが好きで、その影響でラップに興味を持ったそうですが、音楽以外にも多趣味な2人は、自分で自分をご機嫌にするコアな趣味をお持ちです。
Rachelは小さいころから読書が好きで、辞書を熟読していたこともあります。彼女のリリックは、読書から大いにインスピレーションを受けているといって間違いありません。
最近では、ゲームは好きだけど上手くはないと公言し、趣味で楽しむ範囲でyoutubeのゲーム実況チャンネルを開設しています。また、映画作品のコラムを書くほど映画鑑賞が好きで、デビットフィンチャー監督の作品「ファイト・クラブ」は2000回以上観ているほど刺激をもらったと、その時の熱い気持ちを「Honey Bunny」という曲にも反映させています。
Mamikoも共通して読書好きで、特にエッセイを読むことが多いそうです。
インタビューで「大泉洋エッセイ~僕が綴った16年」を紹介し、大泉さんのことが大好きだと語っています。
そしてお笑いも大好きで、同じくお笑いが好きなアーティスト仲間同士で語りながら盛り上がっているそうです。
さらにお笑い好きが高じてか、「岡田軍団」と称した芸人仲間のグループに加入しており、加賀翔(かが屋)、後藤拓実(四千頭身)、岡田康太(なかよしビクトリーズ)の中にMamikoも参加し交流しています。
chelmicoのこれからの野望とは?
chelmicoは「世界ジャックをすること」という大きな野望があります。
日本人にもっとラッパーchelmicoの音楽を知ってもらい、そして海外でもバリバリ活動したいと語っています。
2021年、タイのアーティストLUSS(ラス)からオファーがありコラボ曲をリリースしたり、すでに海外アーティストからも高い評価を得ているchelmico。
アニメ「映像研には手を出すな!」のオープニングテーマソングである「Easy Breezy」を、エルヴィス・コステロが賛辞したことで、海外へ行きたい想いがより明確なものになっていきました。
ラッパーchelmicoまとめ
「chelmicoは本当の自分を周りに隠し葛藤してきたが、自分を理解してくれる友達と出会って乗り越えた。」
chelmicoの2人は、本当の自分を隠してきた学生時代を乗り越えて、ありのままの自分たちで無理をせず、ラッパーの活動を楽しむスタイルになりました。
悶々とした自身の悩みや葛藤を彼女たちは、どのように乗り越えたのでしょう?
①自分の心を許せる友達との出会いがあった。
②その友達と共通の趣味を共有し、一緒に楽しむ。
それぞれの異なる幼少期で、自分を抑え周りの同調圧力に耐えてきた経験を経て、2人が心を解放できるようになったのは、RachelとMamikoが出会えたこと。そして「周りにわかってもらえない」と感じてきた自分を、思い切ってオープンにしてお互い信頼関係を築けたことが大きかったのではないでしょうか。
趣味が共通していても性格は真逆の2人ですが、お互いをリスペクトしていて、とてもいい関係性を築いているようです。
chelmicoの半生から読み解く、人生で行き詰ったときの突破口は「なによりも自分の好きを大事にすること」です。
「どうせ、自分をわかってもらえない」と心を閉ざしてしまったり、葛藤を抱える時期は誰にでもあります。そんな時、少しでも心が開けそうな相手に出会えたら、自分の趣味や好きなことを話してみてください。心が軽くなって迷いや葛藤もいつの間にかどこかに消えています。
自分の趣味がわからない人は、探してみましょう!いろんな音楽だったり、アートに触れてみたり、お笑いでもなんでもいいんです!これをしていて自分が心地いい!と思えることが大事ですね!