話題を呼んだ全曲ラブソングのデビューアルバム「三日月」や、すべての曲が映画のストーリを観ているかのような渾身の10thアルバム「歳月」など、自身の日常をありのままリアルに綴ったリリックが特徴のラッパー神門。
日本の代表的な詩人である谷川俊太郎との共演を果たしたり、ラッパー界隈でも神門のラップスタイルとワードセンスはリスペクトされ、ラジオでR-指定が絶賛するほどです。
最新曲「てかさ」では、誰もが経験するであろう日常のとある一コマを表現した一曲がリリースされ、前代未聞!と話題になっています。
自身の経験を赤裸々に、これほどまで包み隠さず綴ったリリックはあるのでしょうか?
そう思わされるほど、魂を込めたラップに圧倒され、聴き手側の魂も揺さぶられます!
そんな神門のラッパー人生は何処からはじまるのか、彼の経歴や人柄などを深堀っていきましょう!
「神門は〇〇という困難を、△△で乗り越えた。」
ラッパー神門のプロフィール
アーティスト名 | 神門(ごうど) |
本名 | 神門 |
年齢 | 37歳(1986年生まれ) |
身長 | 不明 |
出身地 | 神戸 |
拠点(レペゼン) | 神戸 |
学歴 | 大卒 |
所属レーベル | 半袖バイブス |
神門は1986年に神戸で生まれ、現在も神戸を拠点に活動されています。
詳細な情報は、プロフィール上では非公開となっていますが、神門のインタビュー記事や彼の楽曲を聴けば、彼の素直で真摯な人となりや経歴が丸裸になっていきます。
神門のラップスタイル
神門のラップスタイルは、一般的にポエトリーラップ、またはポエトリーリーディングと呼ばれています。
詩人のように言葉を紡ぎ、音楽に言葉を乗せ語りかけるように歌うラッパーのことをいいます。
自身のありふれた日常を鮮明に綴ったリリックを、独自の語り口調でドラマティックに表現するラップスタイルは、聴き手の心を揺さぶる感動をあたえるほど、圧巻のパフォーマンスです。
神門は、ポエトリーラッパーと称されながらも、ジャンルにとらわれない唯一無二の表現者といえるのかもしれません。
神門の名前の由来
「神門」というMCネームは、本名の苗字からつけられています。
「神の門」と書いて、読み方は「ごうど」。
珍しい名前ではありますが、一度耳にすれば頭に残る良い響きですね。
ちなみに、彼の出身地の神戸は、神門の苗字が多い県ランキングで、6位と上位に入っています。
高校1年生でラップと出会ってから始まる神門の人生
KICK THE CAN CREWをきっかけにラップと出会う。
高校2年、初めてMCバトルを観に行く。
高校3年、クラスメイトの女子からラッパーの彼氏のイベントに誘われる。
経済学部のラッパーと友達になる。
2005年6月、通っているクラブで初めてステージに立ちラップを披露。
本格的にラッパーになると決意。
2006年7月、ミニアルバム「四拾」を自主制作し、自身のレーベル「半袖バイブス」を設立。
2007年、デビューアルバム「三日月」リリースを皮切りに、ライブ活動をしながら次々と楽曲をリリース。
2013年4月、ライブ活動を休止。楽曲制作に力を入れながら、シングルやアルバムをリリース。
2018年、ライブ活動再開。
高校生でラップに魅せられ過ごした青春時代
高校1年の時に、カラオケで先輩が歌ったKICK THE CAN CREWがきっかけで、神門ははじめて韻というものを知り、そこからラップの世界に興味を持ちます。
そして、ラップにどんどん魅せられていく青年時代の神門は、高校2年で満を持して、MCバトルライブを観戦し、生のラッパーのパフォーマンスに触れることとなります。
さらに高校3年の時は、クラスメイトでトップクラスの美女に、ラッパーの彼氏のイベントに誘われ、そのイベントに足を運びます。ここから神門の人生はラップで染まり、ラッパーに憧れを持つようになりました。
大学に進学後ラッパーになることを決意
大学に進学した神門は、経済学部のラップをする友達と出会い意気投合します。
その友達のイベントに積極的に足を運ぶなかで、次第に自分もステージでラップを披露したいと思うようになります。
そして、念願のステージに立ち、ラップを披露することを実現させます。
神門は、本格的にラッパーの道に進む決意をします。
自身のレーベル「半袖バイブス」を設立
2005年6月、ライブやラップバトルなどを中心に、地元神戸でラッパーとして活動を開始。
神門のラップパフォーマンスやリリックに、一際注目が集まります。
大阪で開催されたライブバトルでは、3回連続優勝の偉業を成し遂げ、みるみるうちに、神門の名が知れ渡っていきます。2006年、ミニアルバム「四拾」を自主制作、それに伴って自身のレーベル「半袖バイブス」を立ち上げました。
ミニアルバムは大変人気で、手売りで500枚を完売達成し、つづいて出したコンセプトシングル「黄昏」も完売という実績を残しました。
世界観を広げるため活動の幅を広げる
自身の活動と並行してコンピレーションアルバムに次々と参加します。
ダメレコの「月刊ラップvol.3」に「ノルマ地獄2」という楽曲で参加し、全国区の知名度を獲得したことで、神門はラッパーとしてさらなる進化を遂げていきます。
言葉を使った格闘技「KSWS」に2回挑み、予選突破し本選まで駒を進めます。本選では、1回戦敗退という悔しさを経験しますが、この挑戦をきっかけに、日本を代表する詩人の谷川俊太郎とも共演を果たすことになります。
デビュー後
2007年、神門のデビュー後初の公式アルバム「三日月」は、全曲がラブソングの赤裸々な楽曲として話題を呼びました。今もなお、ロングセールスを記録しつづけている名曲のアルバムです。
その後も、順調にアルバムをリリースしつづけます。
しかし、京都のチプルスとのライブでの出来事で挫折を経験します。
チプルスのパフォーマンスの凄さに圧倒された神門は、次に控えた自分のパフォーマンスが力不足だと感じ、自信喪失してしまいます。そして葛藤の末、ライブ活動を休止する決断をします。
ライブ活動休止~再開
2013年4月、ライブ活動を休止し、楽曲制作に没頭します。
【新しいものを作り出したい、いちから歌詞の肥やしになる勉強をしたい】
という想いから、5年間楽曲制作に専念しました。
現在
現在の神門は、ライブ活動と楽曲制作に取り組んでおり、益々活動の幅を広げ、ラッパーとしてさらなる飛躍を遂げています。
ラッパー神門の人気曲は?
神門の人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
神門の人気曲①「なら、こう生きよう」
やさしく語りかける神門のラップと、彼自身の生き方がまるごと綴られたリリックは、「何故か涙があふれる」という人も少なくありません。
勇気や希望をあたえてくれる、あたたかい一曲です。
神門の人気曲②「一握り」
神門がラップと出会ってから現在までを歌っている、ドラマティックで心震える感動的な名曲です。
こちらのMVはライブハウスでの一本撮りで、緊迫感と迫力があり、映画を観終わったような感動と満足感があります。
神門の人気曲③「ギャラ天国」
神門の名が知れて、ギャラをもらえるようになった時の自身の心情を、リズミカルな曲調で軽快にラップしている神門が、純粋にめちゃくちゃかっこいい。
聴きながら心が弾んで、思わず身体を揺らしたくなります。
編集部おすすめ曲「Pelicule」
神門の親友である不可思議/wonderboyの「Pelicule」をカバーした曲です。
交通事故で亡くなった親友に向けた不可思議/wonderboyに向けたアンサー曲に心打たれます。
神門と仲のいいラッパー
神門の人柄は、明るく誠実な性格の持ち主だと、彼のリリックからも伺えます。
そして、活動実績からも幅広い交友関係があるのではないでしょうか。
そんな神門と仲のいいラッパーを紹介します。
不可思議/wonderboy
神門と同じポエトリーラッパーとして活動していた不可思議/wonderboyは、年齢も近いため、仲のいいラッパー仲間として知られています。しかし「不可思議/wonderboy」は、突然この世を去ってしまいます。
死因は、突然の交通事故死でした。神門は、彼が生前残した「Pellicule」という曲の一部のリリックを変更し、彼への愛を込めて、カバーしました。その一曲は、いまやラッパーファンのあいだで名曲となっています。
Creepy NutsのR-指定
現在、大変な人気を誇るR-指定はですが、売れない下積み時代から神門の後輩として、ともにライブ活動をし切磋琢磨してきた仲です。
当時から、神門の努力する姿などを間近で見てきたR-指定は、心からリスペクトしていたようです。
「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」において、R-指定おすすめの神門の楽曲をいくつか紹介しており、彼のラップの魅力を熱く語っています。
気になる神門のアレコレ
神門の公開プロフィールからは、なかなか読みとれないような情報をピックアップしました。
さっそく、神門の魅力に迫っていきましょう!
神門のファッション
神門のファッションは、「半袖Tシャツにジーンズ」とシンプルな装いが定番です。
また、キャップを被っていることも多いです。
そんな彼の平凡なルックスは、不良性の強い外見のラッパーとは相反し、親しみやすく感じる人も少なくないはず。
神門の家族
神門は結婚しており、その奥さんとの間に男の子が生まれています。
神門の楽曲「夫婦」では、結婚生活での出来事や心情をありのまま綴っています。
「1月8日」という曲では、妊娠中の妻を気遣う心情や、息子が生まれた時の感動をリアルに表現しています。
神門が憧れるラッパーは?
神門が憧れる大好きなラッパーは「餓鬼レンジャー」のポチョキムと「THA BLUE HERB」のボスです。
神門はラップに興味を持った高校時代に、いろんなラッパーを聴き漁るなかで、「餓鬼レンジャー」のポチョキムの存在を知り、彼を無性に好きになります。
その当時、たまたま入った洋服屋の店内BGMに、ポチョキムのにおいがする楽曲が流れ、店員のお兄さんに「THA BLUE HERB」というラッパーだと教えてもらったそうです。
それがきっかけで「THA BLUE HERB」も好きになりました。
神門の趣味は?
銭湯の魅力は、ぜんぶが魅力的!と話すほど、神門の銭湯愛はかなり強めです。
ラッパー神門まとめ
「神門はライブパフォーマンスに限界を感じラッパーとしての自信を喪失するという困難を、ラップを一から勉強するため楽曲制作だけに専念し時間を作ることで乗り越えた。」
神門は京都のライブ中に、自分のパフォーマンスに自信が持てなくなっています。
①ライブ活動をいったん休止。
②得意とする楽曲制作に専念し、リリックに葛藤や苦悩をさらけ出すことで負の感情を癒す。
③ラップを一から勉強し、リリックの肥やしにすることでラップスキルを磨く。
このように、とことん自分自身と向き合い、得意分野に磨きをかけることで自信を取り戻し、困難を乗り越えたのです。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、神門の紡いだ言葉は、聴き手の心にすっと届いて寄り添ってくれる、そんな、人の心を癒すラッパーであると信じています。誰にでも、自分に自信を持てなくなったり、自分を見失うような経験はあります。
もし、あなたがそうなった時、またはその渦中に居るのであれば、ぜひ、神門の曲を聴いてみてください。必ずヒントがあります。