2013年にKOHHやPETZ、Y.G.S.Pらとともに制作した楽曲の「十人十色」でヒップホップ界だけでなく一般世間からも注目を集めたJINKMN。
日本ラップが広く世間に広まる前から、そのストリートかつドラッギーなアンダーグラウンドを彷彿とさせるスタイルが人気になりました。
JINKMNが創設したHIPHOPクルーYENTOWNのPETZ、MonyHorse、Awichなど所属メンバーが次々にソロアルバムを発表し、今最も注目を集めていますよね。
最近では、自身の集大成ともいえるニューアルバムをリリースし、デビューから30年近く経った現在も第一線で活躍しています。
そんなJINKMNですが、かつては華々しい表舞台から姿をくらませるなど大きな苦悩と戦っていました。
自身の経験から語られる嘘偽りのないリリックやラップスタイルを知ることで、JINKMNのもつヒップホップの原点に辿り着けるでしょう。それでは早速 Check it out!
「JINKMNは〇〇という職業を、△△によって取り戻した。」
JINKMNのプロフィール

アーティスト名 | JINKMN(ジャンメン)、Tokarev(トカレフ)、4649dz(ヨロシクデス) |
本名 | 天内大二(あまないだいじ) |
年齢 | 年齢不詳(推定40代後半)10月26日生まれ |
身長 | – |
出身地 | 青森県藤崎町 |
拠点(レペゼン) | – |
学歴 | – |
所属レーベル | YWNTOWN |
北国・青森県藤崎町をルーツにもつJINKMNは、意外にも実家はりんご農家を営む家系です。
現在は東京を中心に、自分のオリジナリティとこだわりを追求したヒップホップを生み出し続けています。
JINKMNのラップスタイル
JINKMNのラップスタイルは、ストリート仕込みのストレート性とドラッグをはじめとするグレーな世界を発信するスタイルです。
日本語ラップで影響を受けたロールモデルは、日本のギャングスターラッパーであることが今のJINKMNのルーツでもあります。
JINKMNの名前の由来
JINKMNの名前の由来は公式には明かされていません。
JINKMNとしての活動を始めるより前に、4649dz名義でラッパーとしてのキャリアをスタートし、Tokarev(トカレフ)名義での経歴もあります。
3つ目の名前として現在はJINKMN名義で活動しています。
JINKMN自身がかなり食にこだわりを持っているため、「ジャン麺」が由来であることもあながち間違いではなさそうですよね。
サンプリング文化から始まるJINKMNの人生

・青森県藤崎町に生まれる
・小学生の頃に嘉門達夫の替え歌にハマったことで音楽と出会う
・メロディーの原曲からヒップホップに通じるサンプリング文化を知る
・1990年代後半、16歳からラッパーとしてのキャリアをスタート
・恩人であるBIG-Tに出会う
・2012年に「4649dz」名義で活動をはじめる
・2013年には「Tokarev」に改名し、「十人十色」で脚光をあびる
・2015年にヒップホップクルーYENTOWNを結成する
・2019年に初のソロアルバム「JNKMN NOW」をリリース
・2024年には自身の集大成ともいえるニューアルバムをリリース
青森県藤崎町に生まれる
北国・青森県の藤崎町に生まれたJINKMNは実家がりんご農家の家系。
子どもの頃から見ていたテレビで嘉門達夫の替え歌にハマったことで音楽やミュージック感をはじめて認識しました。
嘉門達夫が替え歌にした曲の原曲にたまたま辿り着き、ここからヒップホップ文化に見られるサンプリング文化への興味が深くなります。
16歳のときにラップを始める
1990年代後半、JINKMNが16歳のときにラッパーとしての活動をスタートしました。
元からヒップホップ文化に造詣が深く、そこで先輩ラッパーのBIG-T(故)に誘われたことで本格的なデビューをしています。
30代前後でヒット曲が生まれる
2012年に当時のラッパーネームである「4649dz」名義でRAU DEFのアルバム『K.T.A』に客演として参加しました。
その後2013年には、ラッパーネームを4649dzから「Tokarev」に変更し、KOHH、PETZと共作した「十人十色」で一躍人気を集めました。
表舞台から姿を消す
一躍脚光を浴びて人気者への階段を登りはじめたJINKMNですが、十人十色の発表からまもなく表舞台から姿を消しました。
「ストリートでミスちゃって」と語るJINKMNは、今までの自分のラップ活動やストリート活動を「飛んで」しまいます。
栄光に隠れた大きな挫折を経験したJINKMNですが、毎日のように遊ぶほど親交が深かったBIG-T(故)の誘いを受けてラップ活動を再開。
「俺がリリック書いてやるからラップしろよ」というBIG-T(故)の言葉に胸を撃たれ表舞台に戻ってきます。
YENTOWNを結成する
世界が2015年を迎えた正月あたりに、Chaki Zuluとともに「イケてる奴らをピックアップしてクルーを作ろう」と本格的に後のYENTOWN設立に動き出しました。
PETZやkZm、MonyHorse、Awichなど合計で15名ほどが所属するYENTOWNを結成し、さらに活動の規模を広げていきました。
大麻所持で逮捕される
YENTOWNを結成してから間もない2017年にJINKMNは大麻所持で逮捕されてしまいます。
服役期間での経験も貴重な時間とするJINKMNは、2018年に出所してから当時の刑務所内の経験をリリックにした「Jailbird」を作りました。
デビュー後
YENTOWNの創設者として活動の中心にいたJINKMNは、2020年に「JNKMN NOW」で自身最初のソロアルバムをリリースしました。
「数字を気にせず楽しくやる」をモットーにあっけらかんとした性格ながら、ヒップホップギャングとしてこだわりをみせています。
その後、2021年に2ndアルバム「GOOD JUNKEE」をリリースし、2022年には3rdアルバム「SHIT」を出すなど精力的に活動中です。
JINKMNの人気曲は?
JINKMNの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
JINKMNの人気曲①「 Jailbird (Prod. LostFace)」
自身が逮捕されていた2017年からの2年間の刑務所生活をリリックに落とし込んだ、JINKMNらしさが詰め込まれた一曲です。
JINKMNの人気曲②「十人十色(prod by Y.G.S.P)」
JINKMNに改名する前のTokarev時代にリリースされた「十人十色」は、自分たちの存在を広く世に知らしめた代表曲ですね
JINKMNの人気曲③「 Seven Sinners (Prod. Chaki Zulu)」
アンダーグラウンドかつドラッギーなリリックが多い「Seven Sinners」は、JINKMNの真骨頂とも言われています。
編集部おすすめ曲「Red Bull RASEN」
一夜限りの特別なマイクリレー企画「Red Bull RASEN」では、YENTOWNで古くから切磋琢磨してきたメンバーとのパフォーマンスが話題になりました。
JINKMNと仲のいいラッパー
日本の平成期のヒップホップ界を支えてきたJINKMNは、ラッパー間でも顔が広くかなり多くラッパーとの親交を持っています。
今は亡くなってしまったBIG-Tのおかげでラッパーとして活動できていることもあり、ラッパーとしての関係性を重要視しています。
Chaki Zulu
YENTOWNでも活動をともにするChaki Zuluは、JINKMNがラッパーとして活動をはじめた初期の頃から常にともにいます。
DJでありビートメーカーでもあるChaki ZuluはYENTOWNの音楽を根底から支える貴重な存在。
「4649dz」や「Tokarev」の名義で活動しているときもChaki Zuluの存在は欠かせなく、まさに盟友ともいうべき人ですね
kZm
当時、JINKMNと長らく交友関係を持っていたPETZと共に関わっていた古着屋である「JUNKMANIA」にてアルバイトを始めたkZmとも仲がいいです。
本格的にYENTOWNとして活動を始めようか考えていた黎明期に、キーパーソンとして加入したのがkZmでした。

気になるJINKMNのアレコレ
ここでは、気になるJINKMNのアレコレを紹介します。
JINKMNのファッション
JINKMNはラッパーとして活動するかたわら、PETZとともに関わっていた古着屋(現在はアパレルEC)の「JUNKMANIA」をお気に入りとしている。
80〜90年代のヒップホップファッションを中心にデッドストックやオリジナルアイテムを販売。
JINKMNが身にまとう古き良き日本のラップスタイルをアパレルとして落とし込んでいるのが最大の特徴でしょう。
JINKMNの憧れ
50代を目前に控えたJINKMNですが、ラッパーとして活動するなかで影響を受けた人物もいます。
ANARCHYやM.O.S.A.D.から強い影響を受け、さらにMic Jack Priduction、THA BLUE HARBと中学生時代に出会いました。
恩人でもあるBIG-T(故)の意志も含めて、日本のギャングスタラッパーたちをベースに、現在のスタイルを確立しています。
JINKMNのこれからの野望とは?
幾多の困難を乗り越えながら、現代日本のHIP-HOP界を牽引してきたJINKMN。
2024年6月には自身が集大成とも語るニューアルバムをリリースし、中長期的なスパンで所属グループのYENTOWNでの活躍を目標にしています。
また、JINKMNが食べることをはじめ飲食が好きなことから、セルフプロデュースした飲食店の経営にも興味を持っています。
自身の名前を冠して「ジャン麺」を提供するJINKMNのお店が話題になる日もそう遠くはありませんね。
ラッパーJINKMNまとめ
「JINKMNは一度は捨てたラッパーという職業を、仲間の存在によって取り戻した。」
JINKMNは16歳の若さでラップを始めるも、想像だにしていなかった大人の世界、現実の世界とのギャップから、一度ラッパーから「飛んで」しまいます。
しかし、周囲の仲間の支えや恩人・BIG-T(故)からの誘いを受けてもう一度ヒップホップ界に戻り、大きく羽ばたきました。
2024年現在もアルバム発表やYouTube企画への参加など、ますます勢いの増すJINKMNから目が離せませんね!