BAZOOKA!!!のプロデュースの大会である、高校生ラップ選手権第10回目の優勝に輝いたラッパーじょう。
その他にも、数々のMCバトルで活躍し、フリースタイルラップの代表格として全国にその名を轟かせました。
また、トラックメイカー兼DJゆのとじょうから成るHIPHOPクルーNA3TYでは、精力的に音楽制作を行い、彼らのユーモラスでインパクトのある楽曲とMVに注目が集まります。
デビュー曲「愛唄akaストーカーの唄」は、ストーカー目線の奇妙なリリックとMVが話題になりました。
ラッパーとして華々しい経歴を残してきたじょうですが、その背景には苦悩や葛藤の日々がありました。
じょうのバトルスタイルや楽曲に込められた想いを、紐解いていきましょう。それでは、Check it out!
「じょうは〇〇の感情を、△△にぶつけた。」
ラッパーじょうのプロフィール
アーティスト名 | じょう |
本名 | 松島丈(まつしまじょう) |
年齢 | 27歳(1996年12月31日) |
身長 | 170cm |
出身地 | 大阪府大阪市東住吉区 |
拠点(レペゼン) | 関西圏 |
学歴 | 高卒? |
所属レーベル | ILL HOMIES Production. |
じょうは、大阪市東住吉区で生まれ育ち、現在も関西圏内を中心に活動しています。
学歴について年歴を見ると、2014年に高2でMCバトルで活躍し、2015年には仕事をしているので、大学には進学していないようです。
じょうのラップスタイル
MCバトルでのじょうのラップスタイルは、媚びない物怖じしない、相手を罵倒しまくるけどしっかりと韻を連続させるラップが特徴です。
核心を突いたアンサーを巧みに繰り広げ、会場の雰囲気を自分のものにしてしまうほどの威力があります。
じょうのリリースしている楽曲ではキャッチーなものが多く、高音の声質を活かしたメロディアスなフロウが心地よく聴きやすいです。
コミカルな切り口の曲が多い中、メロウでメッセージ性の強い曲、ブラックなフレーズを用いた曲など様々な楽曲があるので、ぜひ1度聴いてみてください!
じょうの名前の由来
本名の「松島丈」からとって、MCネームを「じょう」と名乗っています。
中学時代のいじめから始まるじょうの人生
中学2年、仲間からのいじめが始まる。
従兄弟の影響でキングギドラに衝撃を受け、HIPHOPを聴くようになる。
高校2年、天王寺で開催されるサイファーイベントに出場。
2014年、第6回高校生ラップ選手権に出場し、2回戦で敗退。
2015年、葬儀屋で働く。
2016年、DJゆのから東京のライブイベントに誘われる。
葬儀屋を辞めて、イベントに出場。
第10回高校生ラップ選手権で優勝を果たす。
2016年、DJゆのとHIPHOPクルー「NASTY」を結成。
その後、クルー名を「NA3TY」に改名し、楽曲制作やライブ活動を行う。
帰国後SEEDAと出会い、共演を果たす。
2012年に1stアルバム『IN MY SHOES』でデビュー。
2013年2月20日にトイズファクトリー移籍を発表。
2018年7月10日にKOMA DOGG / LDH MUSICへの移籍を発表。
いじめに苦しんだ中学時代
じょうは、中学2年になると仲間の友達からいじめを受けるようになります。
家が近い8個上の従兄弟のお兄ちゃんの家に遊びに行った時に、キングギドラのDVDをみせてもらいます。この時じょうは、ヒップホップに電気が走るような衝撃を受けました。
こうして、じょうは従兄弟の影響でHIPHOPを聴くようになり、「いじめてきた奴を見返したい」という想いが強くなり、ラップにのめり込んでいきます。
朝早起きしてキングギドラの曲を聴いて、自分のテンションを上げて学校に通います。
初めてラップバトルに出場
高校2年の頃、日頃からラップ練習やリリックを書いて着々とスキルを磨いていたじょうは、従兄弟のお兄さんに「天王寺でやるサイファー出てみれば?」と言われ、すでにラップに自信があったためサイファーイベントの出場を決めます。
じょうはサイファーに出場し、ラップを披露すると周りの人に「上手いね!」と褒められます。
そして「もっと言われたい」と思うようになりました。
第6回高校生ラップ選手権に出場
2014年10月、第6回高校生ラップ選手権に出場。じょうは、この時も自分のラップに自信を持って挑みます。
1回戦目の対決相手であるMCfrogとのバトルに見事勝利し、2回戦に駒を進めます。
しかし、2回戦目の対決相手SNOZZZには力及ばず、敗退しました。
葬儀屋での仕事を経験
ライブ活動から離れたじょうは、2015年から葬儀屋の仕事を始めます。
葬儀屋の仕事は、スケジュール的にもメンタル的にもハードな仕事です。
じょうは、葬儀屋での経験を「ニートTOKYO 」で語っていますが、ご遺体の状態に驚いたり、腐敗臭が鼻から取れなかったなどの体験を淡々と語っています。
当時のじょうには、かなり強烈で人生観にも影響するほどの経験だったかもしれません。
場数をこなして次第に慣れていったじょうは、納棺作業を1人でこなすまでになりました。きつい仕事ではあるものの、すべてを1人で完結できるため楽しい経験だったそうです。
DJゆのから東京のライブに誘われる
2016年、DJゆのから東京のライブに誘われます。ゆのとは、高校時代から友達でした。じょうは、これが自分の人生のターニングポイントだと悟り、思い切って葬儀屋を辞め、ライブイベントに参加します。
しかし、久しぶりの表舞台で大滑りしてしまいます。
これをきっかけに、じょうのスイッチが入り、どんどん自分の名前を挙げていこうと精力的にMCバトルに出場します。そして、とんとん拍子にMCバトルで優勝できるようになります。
第10回高校生ラップ選手権
これまでのMCバトルの功績や、じょうのラップスキルが徐々に支持を集め「第10回選手権に出場しないか」と声がかかり、出場を決めました。
じょうにとって1年半振りとなった第10回高校生ラップ選手権は、これまでの歴代チャンプや投票により選出されたラッパーが出場するもので、かなりの凄腕ラッパーたちとの激戦が予想されていました。
前回出場した時よりも格段にスキルアップしているじょうは、激戦を潜り抜けなんと決勝まで勝ち進みます。
決勝までに繰り広げられた度肝を抜く灼熱のバトルで、会場の雰囲気を完全に味方につけたじょうは、優勝候補であるT-Pablowにも見事勝利し、チャンピオンの座を掴みます。
後に、T-Pablowとの決勝戦について
「言うことは考えてたけど、番組的に俺が勝つよりパブロ君が勝ったほうがおもしろいかな?とかも戦う前に考えたけど、そんなの関係ないな、自分のやれることを全力でやって思いっきりひっくり返してやろうと思ってやって、気が付いたら優勝してた。」
と語っています。
ラッパーじょうが送っている日常
じょうは、MCバトルに加えて、ゆのと結成したHIPHOPクルー「NA3TY」で、音楽制作やライブ活動をしています。
トラックメーカを担うゆのに、ビートを作るためネタを送り、作ってもらったビートで音源を作り、レコーディングをする日々を送りながら、飲食店や現場の仕事をするなどして過ごしています。
2019年には、全国で上映した映画「WALKING MAN」にラッパー役でじょうが出演しています。ラッパーのANARCHY初監督作品で、主演の野村周平がラップに出会い人生を再起すべく奮闘する日々を描いた作品です。
まさに、じょうの人生と重なる部分もある物語ですね。
じょうのベストバウトは?
ラッパーじょうのpucho henza編集部の一押しバトルを紹介していきます。
①はなび vs じょう/2019年3月31日戦極MCBATTLE第19章
この第19章のMCバトルは、じょうのかっこよさが際立っているバトルで、ヘッズから熱い支持を得ています。
ラッパー経歴の長いはなびの繰り出す重みのあるラップと、それに屈しない姿勢で正面からぶつかるじょうの男気ある白熱したバトルで、会場の観客の盛り上がりは最高潮です!
②じょう vs YZERR/2016年8月30日第10回BAZOOKA!!!高校生RAP選手権
第10回高校生RAP選手権に集められた出場者は、歴代優勝者や凄腕ラッパーたちが軒を連ね、かなりハイレベルな戦いになっていますが、まだ目立つ存在ではないラッパーのじょうが初優勝することとなります。
じょうとYZERRの一戦は、じょうが会場のボルテージを上げ観客を味方につけるほどのパフォーマンスで勝利する迫力のあるバトルです。
③じょう vs 呂布カルマ/2018年3月20日UMB2018 THE CHOICE IS YOURS Vol.2
じょうのパフォーマンスが出し切れている試合ではありませんが、因縁の相手である呂布カルマと再延長までもつれ込んだハラハラするバトルが見ものです。
少しふて腐れた様子のじょうの少年っぽさが、まだまだ伸びしろを感じさせます。
じょうの人気曲は?
ラッパーじょうの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
じょうの人気曲①「沈黙を誇れ」
キャッチーだけど毒のあるリリックがクセになる、じょうの代表曲です。
MVは、じょうを嫌う人たちのインタビュー的なシーンから始まり、サビのリリックでは、人が内心思ってもなかなか外には吐き出せないフレーズを、じょうがはっきりと代弁してくれるようで、聴き終わるとスッキリします。
じょうの人気曲②「WALK」
メロディアスなギターがバックや間奏に流れることで、じょうのひねくれながらも真っ直ぐ堂々としている生き様がリリックに描かれ、グッと心を揺さぶります。
聴き手に勇気を与えるメッセージ性の強さから、じょうの神曲と言われる名曲です。
編集部おすすめ曲「My Name Is」
2022年12月にyotubeにアップされた楽曲で、これまでの多かったコミカルな楽曲とは違い、じょうの本心に触れている真面目なリリックは、不器用だけど真っすぐな生き様を表現しています。
バンドミュージックのようなメロディアスなトラックに、ラッパーとして成熟していったじょうの歌声は、純粋にかっこいいです。粋がらないありのままの姿は、新たなラッパーじょうの幕開けなのかもしれません!
じょうと仲のいいラッパー
ラッパーじょうと仲のいいラッパーを紹介します。
ゆの(NA3TY)
NA3TYとして、ともに活動するDJ兼トラックメーカーのゆのは、じょうのラップを観てラップを始めたとインタビューで語っています。
ゆのは、高校生の頃からじょうの存在を認知していて、その時の印象は恐い人でした。じょうとクルーを組んでから、印象はガラッと変わったそうです。
ゆののインタビューからは、じょうそのものをリスペクトしているのが伝わり、じょうにとって絶大な信頼関係にある存在なのです。
Aotk(No’s-Core)
ラップクルーNo’s-CoreのメンバーAotkは、Twitterで「NA3TY」チャレンジという企画を始める提案をしました。
その連絡のやり取りを2人の間に入り仕切っていて、現在もNA3TYの企画をAotkが考えているそうです。
ニートTOKYOのインタビューでの3人のやり取りを見る限り、仲の良さが伺えます。
気になるじょうのアレコレ
気になるラッパーじょうのアレコレを紹介します。
じょうのファッション
じょうは、派手に着飾ることはなく至ってシンプルな格好をしています。
パーカーやTシャツなど、ハイブランドで固めていない普段着のようなゆるい装いで、特定のブランドを着用したり、ファッションに対するこだわりは特にないです。
じょうの彼女
彼女に関する情報はほとんどありませんが「ラップが彼女」というじょうの発言がネット上に残っており、その後自身のTwitterに「彼女おんねんごめんな!」という返信ツイートがあります。
@G47Hip 彼女おんねんごめんな!
— 丈 (@joukunni) November 14, 2015
男気あるじょうですから、女性には困らないのかもしれません。
じょうのこれからの野望とは?
じょうは、YouTubeにアップされているインタビュー動画や、ラッパーなどのコラボ動画に多数出演しています。そこで彼の素顔が垣間見れるので、野望について触れているものをピックアップしました!
じょうのYouTubeアカウントにアップされた「丈DOCUMENTARY of 2016~2017」という映像は、高校生ラップ選手権優勝後のじょうに1年間密着したものです。
「好きなことで生活するのは難しいですけど、お金がなくても楽しい。何事に対しても偏見を持たずに進んでいきたい。」
丈DOCUMENTARY of 2016~2017
彼はラッパーとして、大きな夢や欲望を掲げているわけではないのですが、お金が稼げなくてもただ楽しいことで生活ができたら良いという、平凡でささやかな希望を持っています。
媚びない欲張らない自分のスタイルを信じて、偏見を持たずに目の前の事にチャレンジしていきたいというのが、じょうの野望と言えるでしょう。
ラッパーじょうまとめ
「じょうは中学時代にいじめられた負の感情を、ラップにぶつけ乗り越えた。」
じょうのラップの源は、いじめの経験からきています。いじめてきた奴らをぎゃふんと言わせたい一心でフリースタイルを独学で練習し、自信100%の状態でMCバトルに挑みました。
こうして、MCバトルで勝利し偉業を成し遂げ続けているじょうは、過去の惨めな自分を乗り越えました。
そして、じょうの内面の素直さや弱いところを楽曲で表現し、MCバトルでは出せない想いをリリックにぶつけています。いじめの悔しさや怒りをぶつけたようなフリースタイルは、彼のMCバトルでのキャラクターになりました。
私の想像ですが、ラッパーじょうはバトルでのキャラクターと、本当の自分とのギャップに今も苦しみを感じて生きているかもしれません。
そんなじょうを身近で見ているゆのは、MCバトルに出ることでメンタル面で負担がかかるじょうを心配しつつ、じょうのラップスキルの凄さやそこに向き合う熱量をリスペクトしています。
いじめなどで苦悩を抱える人たちに勇気をあたえられる楽曲を提供し続けたいと語っています。じょうの周りには、彼の才能や人柄をリスペクトし応援するラッパー仲間たちがたくさんいます。
そんな仲間たちに支えられながら、これからも好きな事で一生懸命生きるじょうの活躍を応援していきましょう!