最強の適当という言葉が似合う5lackは、”ゆるさ”が特徴的な唯一無二のラッパーです。
日本のHIPHOPシーンにおいて天才と名高く、ビートメイクも自在にこなし、ファッション業界からも注目を集めています。
実力派ラッパーPUNPEEの実弟としても有名ですね。
そんな5lackは人気を確かなものにしていながら、2013年に拠点を福岡に移したことで話題を集めました。5lackはどのような生い立ちを経て、今に至ったのでしょうか。この記事を読めば5lackのラップを今まで以上に楽しく聞けること間違いなしです。
「5lackは〇〇のために福岡に移住し、△△を追求し続ける。」
ラッパー5lackのプロフィール
アーティスト名 | 5lack(スラック) |
本名 | 高田洋輔 |
年齢 | 37歳(1987年5月6日生まれ) |
身長 | 非公表 |
出身地 | 東京都板橋区 |
拠点(レペゼン) | 福岡県 |
学歴 | – |
所属レーベル | DOG EAR RECORDS、高田音楽制作事務所 |
5lackのラップスタイル
肩の力が抜けた”ゆるい”ラップながら、共感性の高い繊細で哲学を感じさせる心地の良い音楽を作り出すのが5lackのラップスタイルです。
声質・フロウが絶妙に抜けたお洒落なラップスキルは折り紙つきで、数多くのラッパーから天才と称されており、いわゆる”チルい”曲を出す先駆けの存在とも言えます。
また5lackは、ビートメイカーとしても活動しており、そのマルチな才能は特に玄人から好まれることが多いです。
5lackの名前の由来
5lackの読み方は基本的に「スラック」ですが、娯楽と掛けて「ゴラック」と読む場合もあります。
Slackはスラングで「適当・だらだらしたやつ」という意味を持っており、自身に通じる部分があったことがラッパー名の由来です。
また、2012年までは「S.L.A.C.K.」名義でしたが、検索で引っかかりにくい点や「5」と「S」が似ているなどの理由で、現在の「5lack」に変更しました。
兄(PUNPEE)の影響から始まる5lackの人生
・東京都で生まれ板橋区で育つ。
・スケーターの先輩から「SHAKKAZOMBIE」らを教えてもらいHIPHOPにのめり込む。
・12歳には楽曲制作を開始。
・100枚限定アルバム「I’m Serious(好きにやってみた)」をPUNPEE率いる自主レーベル板橋録音倶楽部(IRC)で発売。
・PUNPEE、GAPPERらと地元を中心にライブや楽曲制作などラッパー活動に励む。
・2007年にHIPHOPユニット「P&G」に加入し、ユニット名を「PSG」に改名。
・2009年にソロ名義で1stアルバム「My Space」、2ndアルバム『Whalabout?』を発表。
・2009年にPSGとして1stアルバム「David」を発表。
・2011年にISSUGI、BudamunkとHIPHOPユニット「SICK TEAM」を結成。
・2013年に活動拠点を東京から福岡に移す。
・docomo×東京2020のキャンペーンCMに楽曲提供。
兄の影響を受けスケボー、ラップにのめり込んだ少年時代
音楽好きの両親のもと東京都で生まれた5lackは、7歳のときに引っ越した板橋区で少年時代を過ごします。
兄や先輩と公園でスケボーを楽しむ日々を送っていた中で「SHAKKAZOMBIE」や「BUDDHA BRAND」と出会いHIPHOPにハマっていきます。
兄が楽曲制作していた影響もあり、小学生のときに5lack自身もラップ・楽曲制作を始め、ラッパーの土台を築いていきました。
楽曲をリリースした中学時代
中学に入ると5lackはPUNPEE率いる自主レーベル板橋録音倶楽部(IRC)で本格的にラッパーとして活動を始めます。
そして、100枚限定アルバム「I’m Serious(好きにやってみた)」をソロで発売し、シーンからも徐々に注目を集める存在になりました。
高校入学後もPUNPEE、GAPPERらとともにライブや楽曲制作に励みスキルに磨きをかけ、2人が組んでいたHIPHOPユニット「P&G」に加入。
そのタイミングでユニット名が皆さんのお馴染みである「PSG」に改名しました。
1stアルバム「My Space」で高い評価を得る
そんな5lackを一躍有名にしたのが、2009年に発表した1stアルバム「My Space」です。
「Amebreak(ヒップホップ専門メディア)」の「BEST NEWCOMERs DEBUT ALBUMs」に選出されたほか、宇多丸やKREVAなどレジェンドラッパーから高い評価を受けます。
さらに同年にはPSG名義でも1stアルバム「David」を発表し、5lackのラップスキルが業界全体に認められ、シーンを代表するラッパーになりました。
その後も、定期的なアルバムを発表やジャンルを超えたコラボなど、今もなお最前線で活躍しています。
活動拠点を東京から福岡に移す
5lack は2013年から東京から福岡に移住し、ラッパーを続けています。東京で注目されるストレスや大人とのしがらみなどから、距離を置くことが主な理由だと言われています。
しかし、2時間もあれば福岡から東京に行けるので、物理的に不便は感じていないようです。また、5lackにとって福岡が最高の環境になっているのは「愛しの福岡」という楽曲からもわかります。
5lackの人気曲は?
5lackの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
5lackの人気曲①「Hot Cake」
2009年にリリースされた1stアルバム「My Space」に収録された5lackの代表曲。
時間が止まったような脱力感満載で、ラッパー5lackのセンスの高さが伺えます。
5lackの人気曲②「NEXT」
肩の力を抜いて落ち着きたいときにピッタリな曲で、「適当にいけよ」というリリックが印象的です。
中毒性の高い緩めなトラックに5lackのフロウ・ライミングがばっちりハマっています。
5lackの人気曲③「Weekend」
盟友16FLIP(ISUUGI)のトラックに軽快に乗せてラップする5lackがかっこいいです。
編集部おすすめ曲「Wonder Wall feat. 5lack」
兄でラッパーのPUNPEEと作った「Wonder Wall」はオールドスクールな雰囲気を醸し出す最高な1曲。
Oasisを彷彿させるイントロなど、”兄弟”をテーマにした心が温まるクラシックです。
5lackと仲のいいラッパー
5lackと仲の良い2人のラッパーを紹介します。
Olive Oil
音楽プロデューサー・トラックメイカーのOlive Oilと5lackはとても親交が深いです。
5lackが福岡県に移住するきっかけも、福岡を拠点にしていたOlive Oilの影響を受けてのことでした。
それぞれの頭文字を取った「5O」名義でユニットを組み、アルバムを2枚リリースするなど公私に渡り付き合いがあります。
PUNPEE
ラッパーPUNPEEが5lackの実兄というのは有名ですが、兄弟仲も非常に良好です。
PUNPEEの楽曲では5lackや関係するリリックが使われており、イベント・ラジオで共演もしてきました。
また、2021年に5lackがソロで出場したFUJI ROCKでは、PUNPEEがバックDJを務めるなど現場でも一緒になって盛り上げることも多いです。
気になる5lackのアレコレ
気になる5lackのアレコレについて紹介します。
5lackのファッション
坊主頭がトレードマークの5lackはスケボー好きを感じさせるシンプルなスケータースタイルがファッションの特徴です。
ダイヤモンドが散りばめられたゴールドチェーンを着用する姿もよく見受けられます。
adidasやLevi’sのモデルに起用されたこともある5lackは、ファッション・センスを高く評価されているラッパーの1人です。
また、自身でブランド「SKATE BOARD BRIDGE」の展開やEvisen SkateboardsやUNDERCOVERとコラボを行っています。
5lackが所属しているユニット
5lackはソロ活動以外にも下記の3つのユニットでも活動しています。
・PUNPEE
・GAPPER
・5lack
・ISSUGI
・BudaMunk
・5lack
・Olive Oil
・5lack
これらのラッパー・トラックメイカーは、5lackを形成するうえで欠かせない人物です。
現在PSGは活動休止状態になっていますが、残りの2つは精力的に活動を重ねており、それぞれに違った良さを持っています。
5lack好きや興味を持った人は、ユニットの楽曲も是非チェックしてみてください。
5lackのこれからの野望とは?
インタビューで将来の展望について聞かれた5lackはこのように語っています。
“展望とかは正直あんまり考えてないけど、いつまでも自分にとってカッコ良い存在でいたいかな、だけどそれは前線に立つこととは別で、音楽においてプレイヤーの在り方って色々だし、俺自身は目立ちたいとかはあまり思わないからさ。そのうち表舞台を降りて、プロデュースやサポートする側に撤する時期っていうのがくるだろうし。”
i-D-孤高のラッパー、5lackが見つめる次なるランドスケープ。
音楽に限らず「カッコ良い存在」というのが5lackの大切にしている価値観です。
これからも自分の信念に従い、さまざまな形でHIPHOPの素晴らしさを伝えてくれるでしょう。
ラッパー5lackまとめ
「5lackは自由に生きるために福岡へ移住し、自分らしいカッコよさの追求を続ける。」
どちらかと言えば兄・PUNPEEの方がメディアに露出する機会が多いので、5lackのことをPUNPEE(弟)と認識している人もいるかもしれません。
しかし、5lackも引けを取らないほどカッコよく、PUNPEE同様やはり天才ラッパーであり、トラックメイカーです。
独自の世界が反映された楽曲は、リスナーの心を確実にロックしていきます。
さらなる5lackの活躍に今後も目が離せません!