若者を中心にカリスマ的人気を誇るHIPHOPクルー「舐達磨」のリーダー的存在を務めるラッパーBADSAIKUSH(バダサイクッシュ)。
最近では、10年間で最も再生されたインディペンデントアーティストを表彰する「Hero of the Decade」にノミネートされるなど、その勢いはとどまることを知りません。
また、フジテレビの音楽番組「M_IND」で地上波初出演を果たし、業界内外に大きな衝撃を与えました。
そんなBADSAIKUSHは一般的には想像し難い壮絶な生い立ちを経て、今に至っています。
この記事を読めばBADSAIKUSHのラップを今まで以上に楽しく聞けること間違いなしです。
「BADSAIKUSHは〇〇を、△△で表現した。」
ラッパーBADSAIKUSHのプロフィール
アーティスト名 | BADSAIKUSH(バダサイクッシュ) |
本名 | 細谷雄太(ほそやゆうた) |
年齢 | 34歳(1990年3月29日生まれ) |
身長 | 推定176cm |
出身地 | 埼玉県深谷市 |
拠点(レペゼン) | 埼玉県熊谷市 |
学歴 | 高校中退 |
所属レーベル | APHRODITE GANG HOLDINGS |
BADSAIKUSHのラップスタイル
BADSAIKUSHはオフビート気味の吐き捨てるようなフロウをドスの効いた個性的な低い声でラップするのが特徴です。
冷淡ながらもパンチ力があるBADSAIKUSHのラップには胸に突き刺さるものがあり、聴くものを虜にします。
また、ラッパーの中でもリリック・ビートへのこだわりが非常に強く、自分だけでなく他2人との全体的なバランスも考えて楽曲を制作しています。
BADSAIKUSHの名前の由来
活動当初はサイコロや賽銭箱の意味を持ち、自分の運命は自分で決めるという想いも込めて「賽(サイ)」という名前でした。
その後、昔からよく捕まることもあり、悪を意味する「BAD」、生活の一部である大麻を意味する「KUSH」を付け加えて現在の「BADSAIKUSH(バダサイクッシュ)」に名を改めています。
なお、「KUSH」にはオスの自分がメスの大麻を吸うことでリリックが生み出されるという意味も含まれています。
悪事から始まるBADSAIKUSHの人生
埼玉県深谷市に生まれる。
中学校でDELTA9KIDと出会う。
1歳年上のG-PLANTS がいる高校にDELTA9KIDと共に入学するも中退する。
2009年に金庫破りからの逃走中にコンクリートに突っ込む交通事故を起こし逮捕、後輩の1.0.4が亡くなる。
1年の服役後に本格的にラップを始める。
2011年~2013年の間は「舐達磨’s」として活動。
DELTA9KIDの釈放後、「舐達磨」に改名し本格的にラッパーの道を歩む。
2015年に1stアルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」でデビュー。
2019年に2ndアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」をリリース。
犯罪に手を染めた学生時代
埼玉県深谷市で生まれたBADSAIKUSHは、中学生になるとそれまでやっていたサッカーを辞め、学校には行かず仲間とやんちゃな遊びに明け暮れます。
中学3年の時にはDELTA9KIDと車を乗り回していました。
また、高校は1歳年上のG-PLANTS がいる学校にDELTA9KIDと共に入学するも、ほどなくして中退。
金庫泥棒や援助交際狩り、カツアゲなど悪事はエスカレートしていき、お金を求めて犯罪を繰り返す生活を過ごしています。
HIPHOPとの出会い・ラッパーになるきっかけ
BADSAIKUSHは18歳のときにキャデラックを買ったアメ車屋の社長がHIPHOPに詳しかったことがきっかけでHIPHOPを聴くようになりました。
また、先輩のナンシーなど主に地元のコミュニティで結成されていた「49(舐達麻の前身)」に所属していたBADSAIKUSHの周囲には既にラッパーがいたので、同時期に自身もラップを始めます。
舐達麻の3人は同時にラップを始めた訳ではなく、まずはG-PLANTS が始め、DELTA9KIDが刑務所に行った段階でBADSAIKUSHも始めたと話しています。
交通事故による仲間の死と逮捕
2009年6月にBADSAIKUSHはDELTA9KIDと後輩の1.0.4と共に金庫泥棒をした帰り道に警察から逃走中にコンクリートに突っ込む交通事故を起こします。
この事故でBADSAIKUSHは現行犯逮捕、全身を強打した1.0.4は死亡、DELTA9KIDは逃走するものの翌日に警察に出頭しました。
当時19歳だったBADSAIKUSHは少年院に1年収容され、20歳になっていたDELTA9KIDは4年間刑務所で過ごすことになります。
舐達磨結成~デビュー
2011年~2013年の期間は「舐達磨’s」名義で活動を行い、DELTA9KIDが釈放されると共に「舐達磨」に改名しラッパーとしての道を本格的に歩み始めます。
2015年に1stアルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」でデビューを果たし、アンダーグラウンド界隈で話題になります。
そして、2019年にリリースした2ndアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」はiTunes HIPHOPカテゴリのアルバムランキングで1位になり、シーンにその名を轟かせました。
BADSAIKUSHと薬物
現在も日常的に大麻を吸っているBADSAIKUSHですが、過去には覚醒剤を使用していたことを明かしています。
服役後に先輩に誘われて覚醒剤を使用したことでシャブ中になるも、同時にリリックが止まらなくなりラッパーとしてのキャリアがスタートしたとも言える状況でした。
BADSAIKUSHの人気曲は?
BADSAIKUSHの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
BADSAIKUSHの人気曲①「BUDS MONTAGE」
MVの再生回数が4,500万回以上と舐達磨の中でも最も再生されている代表曲。
3人それぞれの繊細なリリックとGREEN ASSASSIN DOLLARのトラックが絶妙に混じっていて何回でも聴きたくなります。
BADSAIKUSHの人気曲②「100MILLIONS (REMIX)」
ライブでも盛り上がる舐達磨の人気曲。
BADSAIKUSHの「やりたいようやる じゃなきゃ頭狂うのが普通」というリリックは多くのヘッズの心を掴んでいます
BADSAIKUSHの人気曲③「契」
舐達麻の楽曲の中でもBADSAIKUSHが気に入っているのが「契」。
他の曲と比べると長いですが、聴き応えがあるので聴いてみてください。
編集部おすすめ曲「DAYDREAM / ANARCHY & BADSAIKUSH」
ラッパーとしてお互いをリスペクトしているANARCHYとBADSAIKUSHによるコラボ曲。
2人の個性が良い化学反応を生んでいます。
BADSAIKUSHと仲のいいラッパー
BADSAIKUSHと仲の良い2人のラッパーを紹介します。
阿修羅MIC
同じAPHRODITE GANGに所属するラッパーの阿修羅MICはBADSAIKUSHや舐達麻の兄貴分のような存在です。
過去にバダサイとKeeny-GがBeefをした時に仲裁に入ったのも阿修羅MICでした。
「365DAYS」の楽曲では舐達麻が客演に招かれており、お互いのMVにも出演することが多く関係の深さが伺えます。
TAKABO
BADSAIKUSHは北九州を拠点に活動しているラッパーのTAKABOと親交が深いです。
TAKABOがデビューした際には、「兄弟」や「フックアップ」したいとエールを送りました。
また、BADSAIKUSHのインスタグラムなどのSNSにも頻繁に登場しているので、公私共に良好な関係を築いていることがわかります。
気になるBADSAIKUSHのアレコレ
気になるBADSAIKUSHのアレコレについて紹介します。
BADSAIKUSHのファッション
BADSAIKUSHのファッションはアロハなどの柄シャツ、ダボっとしたパンツにスニーカーを合わせたシンプルなストリートスタイルで、首元には純金のネックレスをぶら下げていることが多いです。
以下のブランドを好んで着用する姿が見受けられます。
・WACKO MARIA
・F-LAGSTUF-F
・KarlKani
・BUDSPOO
・BLACK EYE PATCHL
また、ラッパーの漢 a.k.a. GAMIも愛用するアパレルブランド「BUDSPOO」を舐達麻も所属する「APHRODITE GANG」で運営しています。
BADSAIKUSHの刺青は?
BADSAIKUSHと言えば全身に彫られた刺青が印象的です。
両腕に彫られた和彫りの牡丹を筆頭にデザインやバランスが美しいとラッパーの中でもその刺青が評価されています。
刺青の多くはタトゥーアーティストのGAKKINが手掛けており「BUDS MONTAGE 」のリリックにも登場します。
BADSAIKUSHのこれからの野望とは?
BADSAIKUSHはこれからの展望について「楽曲制作を続ける」と答えています。
何を目標にしたとしても自分達が作り出した曲がどこまでも連れていってくれるので、あくまでも良い曲を作るというのが舐達麻3人の共通認識です。
そのため、具体的な展望やビジョンの共有をすることはしないそうです。
また、大麻使用罪が日本に導入された場合は拠点を海外に移す意向も明かしています。
ラッパーBADSAIKUSHまとめ
「BADSAIKUSHは3人の生い立ち・生き様をHIPHOPで表現した。」
舐達麻はリアルなラッパーとの呼び声が高いです。
仲間の死・逮捕・大麻と一般の人生と異なる道を歩んできた自身の生い立ち・生き様を聴く人に響くように昇華できているからでしょう。
その中でもBADSAIKUSHは芸術的センスが高く評価されており、HIPHOPを見事に体現しています。
さらなるBADSAIKUSHの活躍に今後も目が離せません!