今女性ラッパーの中で最も勢いがあり、突き抜けた人気・知名度を誇るAwich。
特に2022年の武道館ライブ以降の活躍は目覚ましく、先日にはKアリーナで自身最大規模のキャパ1万8千を埋める圧巻のパフォーマンスを魅せました。
Awichは自身だけでなく地元沖縄や女性ラッパーのフックアップにも貢献しており、日本HIPHOPシーンに君臨する女王という名が相応しいです。
また、「まつもtoなかい」や「アナザースカイ」など地上波バラエティにも積極的に出演し、活動の幅を着実に広げ、ラッパーの枠を超えて支持されています。
そんなAwichはどのような生い立ちを経て、今に至ったのでしょうか。この記事を読めばAwichのラップを今まで以上に楽しく聞けること間違いなしです。
「Awichは〇〇に溺れず、△△を続ける。」
Awichのプロフィール
アーティスト名 | Awich |
本名 | 浦崎 亜希子 |
年齢 | 36歳(1986年12月16日生まれ) |
身長 | 推定158cm |
出身地 | 沖縄県那覇市 |
拠点(レペゼン) | 沖縄県 |
学歴 | インディアナポリス大学卒 |
所属レーベル | ユニバーサルミュージックジャパン |
Awichのラップスタイル
英語・日本語・沖縄語(ウチナーグチ)をテーマごとに使い分け、時には巧みに織り交ぜてオリジナルなラップで表現するのがAwichのスタイルです。
ルーツの沖縄への熱い想いやHIPHOPシーンの連帯など、メッセージ性が強いリリックも特徴で、喜怒哀楽に溢れたライブパフォーマンスにも定評があります。
また、社会問題や思想などに切り込んだ哲学的な話題を、独自のグルーヴ感で引き立てられるのもAwichの魅力です。
Awichの名前の由来
Awichの読み方は「エイウィッチ」で、ラッパー名は本名の「亜希子」に由来しています。
それぞれ「亜=Asia」、「希=wish」、「子=child」を意味し、これらの頭文字をつなげてできた造語が「Awich」です。
沖縄・米軍基地から始まるAwichの人生
・沖縄県那覇市で生まれ育つ。
・米軍基地に憧れを抱き9,10歳から英語の勉強と日記や詩を書き始める。
・テレビ番組「ポンキッキーズ」に出たスチャダラパーを見てHIPHOPに興味を持つ。
・14歳でラッパーの2PACのアルバム「All Eyez On Me」を聴き衝撃を受ける。
・昭和薬科大学付属高校に進学、在学中にアメリカ・ミズーリ州に留学。
・17歳の時にはMCバトルに参戦しラッパーとしても活動。
・高校卒業後はビジネスを学ぶためアトランタに渡米。
・2006年にEP「Inner Reserch」でデビュー。
・2007年に1stアルバム「Asian Wish Child」をリリース。
・2008年にアメリカ人男性と結婚・長女を出産。
・2011年にインディアナポリス大学を卒業。
・2011年に娘と一時帰国していた際に旦那(夫)が銃殺され死亡し、音楽活動を休止。
・映像制作会社を立ち上げ、ラッパーからは距離を置く。
・2016年にChaki Zuluと出会い、2017年にYEN TOWNへ加入し本格的に活動再開。
・2020年にユニバーサルミュージックから配信シングル「Shook Shook」でメジャーデビュー。
英語・米軍基地に憧れを抱いた少女時代
Awichは、沖縄県那覇市にある米軍基地の近くで生まれ育ちました。
小さい頃からフェンス越しに見える米軍基地に憧れを持ち、人間の生き方やあり方などの哲学的なことを考えるのが好きだったそうです。
そういった思いを昇華するために9歳からは日記・詩を書き始め、日本語と違いストレートに表現する英語に魅力を感じて、10歳から英語学習を始めます。
HIPHOPには、テレビ番組「ポンキッキーズ」に出ていたスチャダラパーを見て興味を持ち、中学生の頃に2PACのアルバムに衝撃を受け、ハマっていきました。
音楽と勉学を両立のうえアトランタへ留学・デビュー
高校生になったAwichは、地元のプロダクションに所属し、MCバトルにも参戦するなどラッパーとして活動を始めます。
2006年には、EP「Inner Reserch」でデビューも果たしています。
同時期に沖縄のシーンを広めるためにビジネスを学びたいと感じ、昭和薬科大学付属高校在学中にアメリカ・ミズーリ州への留学を経験。
さらに高校卒業後は、本格的にビジネスを学びに沖縄を離れてアトランタに渡米し、後に旦那(夫)となるとアメリカ人男性とも出会います。
そして、2007年に1stアルバム「Asian Wish Child」をリリース、音楽と勉学を見事に両立させていました。
結婚・出産・旦那(夫)との死別
2008年にAwichは、交際していた14歳年上のアメリカ男性と結婚、長女を出産し、生活拠点をインディアナ州に移します。
2011年に同州にあるインディアナポリス大学を卒業し、起業学とマーケティング学の学士号を取得。
そして家族3人で安全な日本で暮らすことを決め、先にAwichと娘で一時帰国をしていた矢先、旦那(夫)が銃殺され死別するという悲痛な経験をしてしまいます。
突然の出来事にショックを隠し切れず、しばらく精神的に不安定な日々が続き、ラッパーをはじめとする音楽活動を休止します。
なおAwichの旦那(夫)は、家族を大切する愛に溢れた人でしたが、ストリートで生きる売人の顔を持っており、娘を出産する直前まで収監されていました。
Chaki Zuluと出会い本格的に活動再開
ラッパーから遠ざかっていたAwich は、沖縄で映像制作会社「CIPHER CITY」を立ち上げ、沖縄の発信に尽力。
2016年のある日のイベントでKZmに出会い、音源を聴かせたところすぐにChaki Zuluと繋いでもらい、音楽の誘いを受けます。
そして、Awichの希望で2017年にYEN TOWNへ加入し本格的にラッパーとしての活動を再開。
アルバム「8」を皮切りに次々と配信リリースを行うとシーンから注目を浴び、YEN TOWNを中心にさまざまラッパーからフックアップを受け飛躍していきます。
さらに、2020年には、ユニバーサルミュージックから配信シングル「Shook Shook」でメジャーデビューを果たし、最前線で活躍するラッパーになりました。
現在は日本武道館・Kアリーナを満員にするほか、映画・テレビバラエティの出演と活躍の幅を大きく広げています。
Awichの人気曲は?
Awichの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
Awichの人気曲①「GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR」
YouTubeでの再生回数が2,500万を超えているAwichの人気曲。
中毒性の高いフックが印象的ですが、それに負けない熱い想いが込められたリリックにも注目してほしいです。
Awichの人気曲②「洗脳feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS」
日本社会へのアンチテーゼがテーマになっており、独特な世界観の中で展開される名曲です。
昭和を彷彿させるトラックに繰り返される「バカばっかだ全く」というパンチラインが炸裂しています。
Awichの人気曲③「Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER – Bad B*tch 美学 Remix」
もともと人気があった「Bad B*tch 美学」にアーティストのAIと芸人のゆりやんを招きRenixでさらにパワーアップ。
6人の女性ラッパーそれぞれのリアル・美学が絶妙に描かれていて、聴き応え抜群です。
編集部おすすめ曲「Ashes」
亡き旦那(夫)のエピソードを英語で綴った、強くて優しいそして温かさ心に突き刺さるナンバー。
娘のトヨミさんもMVに出演しているAwichの隠れた名曲です。
Awichと仲のいいラッパー
Awichと仲の良い2人のラッパーを紹介します。
AI
会う前からお互いにSNSなどで活動をチェックしていて、通ずるものがあったという2人。
初対面では感極まり涙が出たとも語っています。
AwichはAIのことをずっとラッパーだと思っていたし、ファンだったと言えば、AIも今まで出会ってきた女性の中でも違うとリスペクトを包み隠しません。
共演してからはさらにヤバさを感じ合ったようで、強い絆で結ばれているのが手にとって伺えます。
Chaki Zulu
同じYENTOWNのメンバーで音楽プロデューサーのChaki Zuluは、旦那(夫)と死別し悲しみに暮れるAwichに音楽活動を再開させた人物です。
2016年以降のAwichの多くの楽曲をChaki Zuluがプロデュースしており、今の活動に欠かせない存在と言えます。
「Chakiさんが作るものはとにかく何でもカッコいいから」とAwichも全面的に信頼していて、リリック作成や演出など少なくない影響も受けています。
気になるAwichのアレコレ
気になるAwichのアレコレについて紹介します。
Awichのファッション
ボディコンなどの体のラインが出る衣装や露出度が高めのセクシーなスタイルがAwichのファッションの特徴です。
セックスシンボルの一面も持つAwichのファッションはエロさに加えて女性の力強さを感じさせるため、業界内外から高く評価されています。
自身も愛用しているPRADAやFENDI、Nikeをはじめ、さまざまブランドとコラボ・モデルに起用されており、ファッションが注目を集めるラッパーの1人です。
Awichの娘
Awichの娘のトヨミ・ジャミラ(鳴響美)さんは、現在15歳で既にモデルやアーティストとして活躍しており、「TSUBASA feat. Yomi Jah」で共演もしています。
トヨミさんが小学校4年生の時に、上述した銃殺で父親が亡くなっていますが、Awichhaは死亡理由をありのままに彼女に話します。
嘘をつくのは大人の都合で、ちゃんと話せば理解できるというAwichの考えからでした。
現在は、「私にとってトヨミは親みたいなんです。私が子どもみたいに振る舞うと『ちゃんとしなさい!』って怒られる」と良好な関係をテレビで明かしています。
Awichのこれからの野望とは?
Awichは2023年11月5日にKアリーナで開催された単独ライブで、以下のように宣言し、本格的に海外進出に向けて始動をすることを明かしました。
「みんなが本当に見たことがない景色を、見せてあげることができると思う」
元々海外志向も強く英語も堪能なAwichが、世界で活躍する姿が今から楽しみですね。
ラッパーAwichまとめ
「Awichは夫との死別という困難を、歌への想い・沖縄魂で乗り越えた。」
夫と死別しどん底にいたAwichを救ったのは、人に伝えたいという歌への想いと、父からもらった沖縄人の強さの言葉でした。
彼女はラッパーの中でも特に沖縄への愛が強く、同郷のフックアップ・ハブ酒(地元酒)の開発・販売、会社の立ち上げなど、さまざまな形で発信を行っています。
これからも熱い沖縄魂を持って、世界で活躍してくれるでしょう。
さらなるAwichの活躍に今後も目が離せません!