自らが客演として楽曲に参加した沖縄発のHIP–HOPグループ604の代表曲「August」や、若手実力派ラッパーの唾奇と発表した「ame」などでよく知られるHANG。
聴き心地のいいビートにのせて人生の本質や楽しさをテーマにした楽曲も多く、今や全国的に有名なラッパーの唾奇やBASI、TOCCHI、梅田サイファーなど人気アーティストとも深い交友関係をもっています。
最近では、「COYOTE AGREE」という名義でMV監督やジャケットデザインを手がけるなど、活躍の幅を広げています。
そんなHANGには、人気ラッパーになるまで物足りない自分との葛藤や苦悩がありました。彼のリリックに込められた思いや背景をひもとくことで、今まで以上に彼の楽曲を楽しめること間違いなしです。
それでは早速、Check it out!
「HANGは〇〇という困難を、△△で乗り越えた。」
ラッパーHANGのプロフィール
アーティスト名 | HANG |
本名 | – |
年齢 | 33歳(1991年 生まれ) |
身長 | – |
出身地 | 北海道 |
拠点(レペゼン) | 沖縄県那覇市 |
学歴 | – |
所属レーベル | Final Weapon Company |
HANGは1991年生まれの北海道出身のラッパーです。
現在は沖縄県那覇市を拠点に活動をしています。
HANGのラップスタイル
HANGは、ラッパーでありながら人生をテーマにした楽曲が多く、自然体で飾らない等身大のリリックが特徴です。
ラップというと、アンダーグラウンドで強さを全面に押し出すものや誰にも負けない闘争心を表現するものが一般的なイメージでしたが、HANGの登場によって新しい風が吹きはじめました。
ありのままを表現するHANGに惹かれて仲間が集まり、楽しく活動をしている様子はHANGの人生そのものです。
HANGの名前の由来
HANGの名前の読み方はそのまま「ハング」と読みます。
気になるHANGのラッパー名の由来ですが、現在のところ明らかにされていません。
英語でhangは「ぶら下がる」という意味であり、ゆったりと人生の流れに身をまかせる彼自身の生き方を表しているのではないかとされています。
東京への上京から始まるHANGの人生
北海道に生まれる。
地元の友人と雪山で遊んで育つ。
2008年に18歳で東京に上京する。
渋谷NOSTYLE(クラブ)でPAのアルバイトを始める。
2013年にラッパー担当として3人組グループ「The bleusonics」を結成する。
2016年に徒歩とスケボーで日本一周の旅に出る。
唾奇とHANGのユニット「glitsmotel」を結成して活動をする。
沖縄発のHIP–HOPグループ「604」に参加する。
レーベル会社「Final Weapon Company(FWC)」を主宰する。
ラッパーに加え、「COYOTE AGREE」名義でMV監督やジャケットデザインを手がけるなど活躍中。
18歳で東京に上京し、ラップを始める
幼少期から高校生まで北海道で育ったラッパーのHANGは、2008年に18歳で単身東京に上京します。
渋谷のNOSTYLEというクラブでアルバイトをはじめ、PAをしながらアーティストの知り合いを増やしていきます。
東京でユニット活動をする
上京から5年後、アルバイト先で知り合ったピアニストの高本りな、ラッパーHANG、アコースティックギタリスト矢野敦士で、3人組Piano×Rap×Guitarユニット「The Bluesonics」を結成しました。
2013年にHoodsode Record主催のLIVEバトルで優勝、2014年に9sariRecord主催のオーディションでソロLIVE優勝と着実に実績を積み上げていきます。
徒歩で日本一周の旅をする
順調だったThe Bluesonicsの活動は、ピアニスト高本りなが米国留学をしたことで半ば空中解散となり、HANGはソロでのラッパー活動を再開します。
ソロ活動をするHANGは、自分の人生の経験値を増やし自分に似合った言葉でリリックを書きたいと思い立ち、2016年2月から徒歩(スケボー)で日本一周の旅をスタートします。
梅田サイファーのいる関西と四国のお遍路を旅し、沖縄県に着いたところで資金がゼロになり、日本一周の旅は一時中断となりました。
沖縄県で唾奇に出会う
旅の資金がゼロになったHANGは沖縄県で唾奇に出会い、ラッパーとしての運命の歯車がゆっくりと動き始めました。
リリシズムや音楽性、価値観で意気投合したHANGと唾奇は2017年に「glitsmotel」を結成し、沖縄県で不動の人気を獲得します。その後、拠点を沖縄に移し、沖縄発のHIP–HOPグループ604に加入し、盟友のMAVELやTOCCHIらと出会っていきます。
デビュー
HANGは他のラッパーの客演として楽曲への参加が多く、正確なメジャーデビューの断定が困難です。
唾奇と沖縄県で運命的に出会いメディアへの露出が増えたことから、2017年に発表した「i Believe(Prod by. Sweet William)」が新しいデビューになります。
デビュー後
現在は、604の後身としてレーベル「Final Weapon Company(FWC)」を立ち上げ、主宰として唾奇やTOCCHI、hokutoらと活動を続けています。
ラッパーHANGとしての活動に加え、「COYOTE AGREE」名義でMV監督やジャケットデザインなどアートディレクターとして、Hip-Hop業界を表と裏の両面から支えています。
2023年には2年ぶりに新曲を発表したHANG、今後の動向から目が離せません!
HANGの人気曲は?
HANGの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
HANGの人気曲①「604/August(feat.MAVEL,HANG,TOCCHI)」
沖縄での音楽拠点だった604の客演として参加し、ラッパーHANGの名前を一躍全国区にした楽曲。
HANGの特徴的なハスキーボイスと今までの人生をたどるようなリリックが印象的です。
HANGの人気曲②「hokuto/Good Time(feat.TOCCHI&HANG)」
MVで沖縄の澄んだ青空と綺麗な海が登場する「Good Time」。
「好きの感情を大事にしなくちゃ」「憧れと遊びで夢の始まり」などHANGのラッパーとしての価値観が詰め込まれたリリックにも注目です。
HANGの人気曲③「HANG&唾奇/ame(feat.MuKuRo)」
唾奇とのユニットglitsmotelにMuKuRoを加えた楽曲。
YouTubeでは2000万回を超える再生数で、ファンからも愛されています。
編集部おすすめ曲「HANG/dyna(feat.TOCCHI)」
2021年にHANG個人初のCDとして発表された「dyna feat. TOCCHI(Prod. CraftBeats)。
18歳で上京してから12年、30歳にさしかかったラッパーHANGの現在が表現された楽曲は、編集部のイチオシです。
HANGと仲のいいラッパー
HANGは「知り合いと知り合いをつなげられる人になりたい」と公言するほど、仲間意識が強く、日本一周を通じて多くの仲のいいラッパーがいます。
沖縄で苦楽をともにしてきたラッパーだけでなく、意外なつながりをもつラッパーまで幅広く紹介します。
唾奇
Awich、CHICO CARITOに並んで沖縄を代表する若手ラッパーの「唾奇」。
近年のHip-Hop業界を名実とともに引っ張る唾奇は、フッと肩の力を抜いてくれるリリックが特徴であり、「愛のままに feat. 唾奇/BASI」や「Made my day/唾奇×Sweet William」は不朽の名作としてファンに愛されています。
のちに唾奇はHANGに対して「彼は正真正銘のラッパー」と最大の賛辞を送っています。
TOCCHI
CraftBeats名義でビートメイクにも活動の幅を広げているラッパーの「TOCCHI」。
2017年に発表した「これだけで十分なのに」は等身大の自分を表現した名曲です。
TOCCHIと同郷の北海道出身のHANGは、自分の感性に近いこのリリックに感銘を受け、唾奇や604のメンバーにTOCCHIを紹介したことで交友関係が始まりました。
のちにTOCCHIは「Have Plans」という楽曲で、HANGとの鮮烈な出会いをリリックにしています。
梅田サイファー
R指定やPekoなど有名なラッパーが大阪梅田の歩道橋から活動を始めたサイファー集団「梅田サイファー」。
実は意外なことに、HANGと梅田サイファーは古くから交友関係があり、HANGの日本一周の旅をしているときにLIVEや寝泊まりをともにしていました。
気になるHANGのアレコレ
気になるHANGのアレコレについて解説していきます。
HANGの性格
HANGの性格は、一言でいうと「仲間思いなのんびり屋」です。
辛いときや苦しいときには、ラッパー仲間の曲を聴いて勇気を出すというほど仲間思いな一面があります。
一方で、2016年に日本一周を始めるときには、旅の準備やルート決めをほとんどせず「なんとかなる」という気持ちですべてを進めるほど、のんびりした一面もあります。
HANGはあまりに自由奔放な自分を振り返って、「自由すぎると不自由になる」ことに気づき、現在も自由にしすぎないように気をつけながら生活しています。
HANGの主宰レーベル
HANGは自身が主宰のレーベル「Final Weapon Company(FWC)」を立ち上げています。
MAVELを中心とした604の後身に代わるFWCは、沖縄の若手ラッパーの拠点として絶賛活動中です。
また、FWCで発売されるグッズやCD、ノベルティの梱包・郵送をHANG自身で行っており、X(旧Twitter)ではその様子が日々あげられています。
HANGのこれからの野望とは?
年齢を重ねるごとに季節を感じる瞬間に出会うことが好きになったと語るHANG。
風呂上がりのアイスや金木犀の香りを楽しむ散歩など、日々の何気ない瞬間を大切にしているラッパーのHANGですが、今後の活動はどのように考えているのでしょうか?
誰かのためになることをする
604時代に発表したアルバム「猫盤」は実際に飼っていた猫の餌代を稼ぐためのものと語っているほど、動物への愛着をもつHANG。
FWCでのラッパーやデザイナーの活動を通じて、そのグッズ売上や利益の一部を沖縄の猫愛護団体に寄付していることも公表しています。
東京にいたとき「何もない自分」に悩んでいたHANGは、日本一周や沖縄での仲間との活動を通じて、自分の中にある確かな経験や学びを誰か与えることを目標にしています。
「August(feat.MAVEL,HANG,TOCCHI)」でHANGは「守られる側から守る側」というリリックを残しています。
これはHANGのこれからの生き方を示す「決意」ではないでしょうか。
ラッパーHANGまとめ
「HANGは何もない自分との葛藤という困難を、仲間を見つけることで乗り越えた。」
HANGは「楽しい」をモットーに、自らの経験や感情をリリックに込めて楽曲制作をしています。
HANGのラッパーとしての根幹には、何もないと葛藤していた自分に意味を見つけてくれた信頼し合える仲間の存在があります。
「自分にはなんの取り柄もない」「人生の経験値が足りない」という悩みは誰もが抱えています。
それらの悩みは、HANGのように①早い決断によってとにかく行動すること、②人との出会いに感謝しながら常に変化する自分に向き合うことで、誰のものでもない自分だけの人生を楽しく生きていけるのではないでしょうか。
なにはともあれ、まずはHANGのソロシングル「dyna feat.TOCCHI(Prod.CraftBeatz)」を聴いてみてください!
今後も、人生を楽しく歩んでいくラッパーHANGの活躍から目が離せませんね!