次世代のシーンの担い手として期待が高く、日本語・韓国語・英語の3カ国語を操るトリリンガルラッパーのJin Dogg。
パンクロックを彷彿させるエモーショナルなライブや感情をむき出しにしたパフォーマンスが、ヘッズから大きな支持を集めています。
また、ABEMAのドラマ『警視庁麻薬取締課 MOGURA』にも俳優として出演し、役者としての活躍も光ります。
順風満帆にキャリアを歩んでいるようにも見えるJin Doggですが、差別や活動休止といった苦悩、困難に直面していた過去を持っています。この記事を読めばJin Doggのラップを今まで以上に楽しく聞けること間違いなしです。それではCheck it out!
「Jin Doggは〇〇という感情を、△△で昇華させた。」
ラッパーJin Doggのプロフィール

アーティスト名 | Jin Dogg |
本名 | ジェイク・ユン |
年齢 | 34歳 (1990年9月10日 生まれ) |
身長 | 188cm |
出身地 | 大阪府大阪市生野区 |
拠点(レペゼン) | 関西(大阪) |
学歴 | 高卒 |
所属レーベル | Hibrid Entertainment |
Jin Doggのラップスタイル
陰鬱かつダーティなトラップビートにのせて、感情をストレートにシャウトするアグレッシブなラップがJin Doggの特徴であり魅力です。
日・韓・英をミックスしたトリリンガルラップに関西弁を活かし、話しているようなスタイルを持っています。
また、激しいヘッドバンキングや狂気さを感じるライブパフォーマンスがヘッズの心を掴んでおり、独特の世界観を持ったラッパーの1人です。
Jin Doggの名前の由来
Jin Doggの名前は自身が好きだったアメリカのラッパーSNOOP DOGGと韓国の伝統的な犬種の珍島犬(ジンドッゲ/진도견)に由来しています。
なお、仲間内では本名の「ジェイク」と呼ばれることが多く、ラッパー名を変えようと考えたこともあったようです。
在日韓国人の苦悩から始まるJin Doggの人生

大阪生野区で在日コリアン2世の父親と韓国人の母親のもとに生まれる。
母親の意向もあり保育園の頃から大阪を転々としながら過ごす。
10歳の時に家族と共に韓国へ引っ越し18歳まで在住する。
中学から韓国のアメリカンスクールに通い、友人がフリースタイルしていたのがきっかけでラップを始める。
アメリカンスクールをサボりすぎて退学となり、日本の高校に編入する。
高校卒業後に本格的にラッパーとして活動を開始し、1stEPをリリース。
大々的な失敗を犯したことで3年近く活動を休止。
ラブホテル清掃員などをやりながら過ごし自分を見つめ直す。
2015年にラッパーとしての活動を再開、HIPHOPレーベル「HIBRID ENTERTAINMENT」の立ち上げに参画。
2016年にミックステープ「1st High(mixed by DJ Bullset)」を皮切りにリリースを続ける。
日本でも韓国でも差別を受けた少年時代
Jin Doggは韓国人の両親を持つ在日3世ですが、生まれたときから父親は一緒に住んでおらず母親の意向で大阪市内を転々と過ごします。
周囲に在日韓国人が少なかったこともあり、異質な存在として差別を受けていました。また、10歳の時に家族とともに韓国に移住するものの日韓の関係から、今度は韓国で差別的な扱いをされてしまいます。
ラップとの出会い・始めるきっかけ
中学から韓国のアメリカンスクールに通い友人がフリースタイルしていたのが、Jin Doggのラップを始めるきっかけです。
アメリカンスクールをサボりすぎて退学となったJin Doggは日本の高校に編入し、日本で出会った友人にレコーディングに誘われたことでラップにのめり込みます。
そして、高校卒業後に本格的にラッパーとして活動を開始し、2012年に1stEP「welcome to Bang I.K.N」をリリースします。
失敗により3年間の活動休止
順調にキャリアを進めていたJin Doggですが、1stEPリリース後に大々的な失敗を犯したことで3年近く活動を休止します。
その間はラブホテル清掃員などをやりながら過ごし、自身の音楽性やスタイルなど自分を見つめ直していました。
活動再開~「HIBRID ENTERTAINMENT」の立ち上げに参画
2015年に問題を清算しラッパーの活動を再開すると、翌年にはHIPHOPレーベル「HIBRID ENTERTAINMENT」の立ち上げに参画。
そして同レーベルからミックステープ「1st High(mixed by DJ Bullset)」、「2nd High」とリリースを続け、次世代のトラップスターとしてJin Doggの名が広がります。
2019年には二面性をテーマにした待望の1stアルバム「SAD JAKE」・「MAD JAKE」をダブルリリースし、ラッパーとして確かな地位を築きました。
映画「Sin Clock」に出演
Jin Doggは窪塚洋介が主演を務める映画「Sin Clock(2023年2月公開)」に初出演し大きな話題を呼びました。
本作はどん底の人生を生きるタクシードライバーが人生の一発逆転を狙うさまを描いており、Jin Doggは半グレの男・ヤスを演じています。
圧倒的な存在感と狂気を感じさせる演技に驚きと絶賛の声が続出するほど好評でした。
Jin Doggの人気曲は?
Jin Doggの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
Jin Doggの人気曲①「”街風” feat. REAL-T」
MVが850万回以上再生されており、Jin Doggの代表曲とも言えるのが「街風」。
攻撃的ながら聴く者の心をグッと掴む魅力で溢れており、客演のREAL-Tの輝きも見逃せません。
Jin Doggの人気曲②「Kamikaze (Prod. Gradis Nice)」
「俺は俺をやるだけ」というパンチラインを筆頭にJin Doggのスタンスやラッパーとしてのかっこよさが際立つ1曲です。
Jin Doggの人気曲③「Suicide Remix feat. Tiji Jojo, Hideyoshi & Jin Dogg」
Tiji Jojo(BAD HOP)の人気曲でもある「Suicide」のRemixに参加しているJin Dogg。
豪華な他のラッパーたちにも負けず劣らずの確かなインパクトを残しています。
Jin Doggの人気曲④「BILLION」
YOU THUGとJin Doggによるコラボ曲「BILLION」。
本楽曲は、両アーティストの独特なスタイルが融合し、力強いビートとリリックが人気を集めています。
編集部おすすめ曲「PETZ – Blue feat. Jin Dogg (Prod. Bluxz)」
攻撃的な楽曲とのギャップも楽しむことができるエモーショナルな曲で、何回聴いても飽きない中毒性を持っています。
ライブで歌うことも多いので、是非チェックしてみてください。
Jin Doggと仲のいいラッパー
大阪を拠点に活動しているJin Doggは、同じ関西出身のラッパーとの関係が深いです。
そんな彼と仲の良い2人のラッパーを紹介します。
Jin Doggと仲のいいラッパー|①WILYWNKA
Jin DoggはWILYWNKAが13歳のときに一二三屋のサイファーで出会い、そこから10年以上の仲です。
売れる前から親交を深めていた2人ですが、今ではシーンを代表するラッパーとして大阪のフックアップに貢献しています。
「アホばっか」・「Our Turn」など楽曲で共演することも多く、公私に渡って付き合いがあります。

Jin Doggと仲のいいラッパー|②Kid Nathan

都内アンダーグラウンドで活動しているラッパーのKid Nathanは東京とJin Doggを結ぶ架け橋になった存在です。
「Purple Magic」のMVを見てかっこいいと思ったKid Nathanは、すぐにJin Doggに連絡を取り関係を構築していきます。
また、Kid NathanとコラボしたことでJin Doggは注目を集め、世間にその名が広まるきっかけにもなっています。
気になるJin Doggのアレコレ
気になるJin Doggのアレコレについて紹介します。
Jin Doggのファッション
長髪に髭姿が印象的なJin Doggは、以下のようなストリートや地元大阪のブランドを愛用しています。
Jin Doggは大阪で根強い人気を誇るCOCOLO BLANDからモデルに起用されており、MVやライブで着用することも多いです。
Jin Doggのタトゥーは?
Jin Doggは右腕に「ムグンファの花(日本でいう桜)」、左肩から腕に「五面天下(5つの面を組み合わせた柄)」のタトゥーを入れています。
ムグンファの花はタトゥーアーティストの友人が、周りの鳥や葉っぱなどは韓国時代の同級生が彫りました。
和彫りの五面天下は「音楽の神・ひょっとこ・恵比寿様・河童・だるま」をそれぞれ表現しています。
その他、腹回りや首元にもハングル文字などが入っています。
Jin Doggのこれからの野望とは?
日本という枠を超え、アメリカで本場のモッシュピットを体験するというのがJin Doggの目標です。
そのため、韓国のラッパーとの楽曲制作や異なる言語でのラップなど日本に限らず、積極的に活動を続けています。
また、今後の活動についてのオンリーワンを目指しますかと質問されると
ただ、ニューヨークだったらスタッテン・アイランドにWU-TANGがいて、クイーンズブリッジにはNASやMOBB DEEPがいてとか、東京といえば誰々とか、各時代の代表格がいるじゃないですか。そんなんにはなりたいかな。大阪やったら僕らみたいな。
このように回答しています。
既に大阪を代表するラッパーの1人になっていますが、さらなる活躍を楽しみにしたいですね。
ラッパーJin Doggまとめ
「Jin Doggは自分の内なる感情をHIPHOPによって昇華させた。」
ステージ上では感情を爆発させ狂気的な姿を見せるJin Doggは、人見知りで繊細という一面も持っています。
少年時代に受けた差別や在日韓国人としての苦しみや怒りといった思いをラップすることで昇華させているようにも思えます。
Jin Doggは誰も真似できない人生を送っており、それをHIPHOPで体現しているかっこいいラッパーです。
さらなるJin Doggの活躍に今後も目が離せません!