宇多田ヒカルの「忘却」にラッパーとして参加するなど、数々の名曲を生み出すも惜しまれつつ引退したラッパーKOHH。
2022年にKOHH名義でのアルバム『The Lost Tapes』をリリースして以降音楽シーンに姿はありませんでしたが、2024年春に突然、千葉雄喜名義で「チーム友達」を突如リリースして話題となっています。
壮絶な生い立ちを綴ったストレートなリリックが人気のKOHHは、BAD HOPや般若などと日本のヒップホップシーンをけん引してきました。
そんなKOHHですが、華々しい経歴の裏には幼少期からの辛い経験がありました。彼のリリックに込められたストレートな思いを経歴から紐解いていきましょう!それでは早速 Check it out!
「KOHHは〇〇という困難を、△△で乗り越えた。」
KOHH(千葉雄喜)のプロフィール
アーティスト名 | KOHH(コー) |
本名 | 千葉雄喜 |
年齢 | 34歳(1990年4月22日 生まれ) |
身長 | 176cm |
出身地 | 東京都北区王子 |
拠点(レペゼン) | 東京都北区王子 |
学歴 | 中卒 |
所属レーベル | GUNSMITH PRODUCTION |
東京都北区王子で生まれたKOHHは、その後も拠点を変えずに活動を続けています。
地元では「Dogs」という服の販売店舗も経営しており、地元への愛が強いのが特徴です。
KOHHのラップスタイル
KOHHのラップは聴き取りやすいストレートなリリックで知られ、韻も最後の一文字しか踏まないシンプルなラップスタイルです。
しかし、そのシンプルなスタイルにもかかわらず、KOHHの歌詞はリアリティに満ちており、何度も聴きたくなる魅力的なフロウを持っています。率直な表現と共感を呼ぶストーリーテリングによって、多くのリスナーの心を捉えています。
KOHHの名前の由来
KOHHの名前の由来は、2歳の時に亡くなった韓国人の父親である「黄達夫(こう・たつお)」からきています。彼は父親の「黄」を取り、その意味や尊厳を表現するために名前に取り入れました。
KOHHが使用している「T2O」の別名は、「達夫(たつお)」の当て字であり、彼の父親への思いを象徴しています。
父の死から始まるKOHHの人生
・2歳のときに父親が他界
・母親は精神を病んで薬物中毒に
・小学校4年生でキングギドラに衝撃を受ける
・MonyHorseにラップを教える
・18歳のときに本格的に曲作り開始
・クリエイティブ・ディレクター兼プロデューサー「318」との出会い
・2014年デビューアルバム「MONOCHROME」
・2015年アルバム「梔子」でブレイク
・2020年1月引退を表明
・2024年2月から本名で音楽活動開始
・本名名義で「チーム友達」をリリース
2歳のときに父親が他界
KOHHは、韓国人の父親と日本人の母親のもとに生まれました。しかし、2歳の時に父親が突然他界。
この悲劇的な出来事はKOHHと母親にとって大きな衝撃であり、特に母親は精神的に追い込まれ、最終的に薬物中毒者となります。当初、父親の死因は交通事故とされていましたが、後に祖父から薬物によって亡くなったことを知らされることになりました。
この過程でKOHHは苦しみと喪失を経験し、これらの出来事は彼の人生と音楽に深い影響を与えることになります。
小学校4年生でキングギドラに衝撃を受ける
小学校4年生の頃、KOHHは辛い出来事が続いた中、手に取ったのはキングギドラのCDでした。この時、彼はキングギドラの辛辣な歌詞が自身に起きたさまざまな出来事と共鳴し、衝撃を受けることになります。
キングギドラの曲は、社会や個人の問題に対する鋭い観察力と、そのリアリティに満ちた歌詞で知られているヒップホップグループです。そのため、KOHHは自身の経験とキングギドラの歌詞との間で共感を覚えることになるのです。
クリエイティブ・ディレクター兼プロデューサー「318」との出会い
KOHHは18歳の時、転機を迎えました。プロデューサーの理貴との出会いをきっかけに、彼とレコーディングを行い、その音源をミックステープとしてインターネット上で公開します。
ミックステープの反応をSNSで見ている中、地元が同じ318(高橋良)とコンタクトを取ることに成功。318はKOHHの熱意に感銘を受け、彼のレコーディングを手伝うようになりました。
318のアドバイスとサポートによって、KOHHはラッパーとしての才能を開花させていきます。この出会いは、彼の音楽キャリアで大きな意味を持ち、その後の成功につながる重要なきっかけとなりました。
2014年デビューアルバム「MONOCHROME」
2014年、KOHHは待望のデビューアルバム「MONOCHROME」をリリース。その翌年、本来デビューアルバムとしてリリースする予定だった「梔子」もリリースされました。
このアルバムには、高田純次から発想を得て作成された「JUNJI TAKADA」という曲が収録され、大きなブレイクを果たします。また、KOHHの脱力したラップが、彼の人気をさらに加速させる要因となりました。
このアルバムは、KOHHの独自のスタイルと才能を示すものとして、ファンや批評家から高い評価を受けました。
2020年1月引退を表明
2020年1月、KOHHは引退を表明。その引退理由は、プロデューサーの318との何気ない会話から生まれました。コロンビアとの契約上のアルバムがリリースされ、その後の進路について話し合った際、318から「何もないのであれば、引退ってどう?」と聞かれ、「いいですね」と答えたことが引退の決意につながります。
彼は自身の音楽活動を一旦終了とし、新たな方向性を模索することを決断しました。この引退宣言は、KOHHのファンや音楽業界に大きな衝撃を与え、彼の音楽活動に幕を下ろすこととなります。
2024年2月から本名で音楽活動開始
2024年2月、KOHHは本名の千葉雄喜名義で音楽活動を開始。彼はこの名前で「チーム友達」という楽曲をリリースし、そのリリース当日にはXでトレンド入りを果たします。
この楽曲のMVでは、日本全国から集結したチーム友達とおぼしきメンバーが登場し、不穏なビートに乗せて曲名を何度も叫ぶシーンが印象的です。また、ラッパーのZORNもこのMVに登場し、話題を呼びました。
KOHHが本名で音楽活動を開始したことで、彼のファンや音楽業界に新たな興奮が生まれることになるのです。
KOHHの人気曲は?
KOHHの人気曲と、pucho henza編集部の一押し曲を紹介していきます。
KOHHの人気曲①「チーム友達」
突如復帰を表明しリリースされた曲。不穏なトラックに「チーム友達」を連呼した一曲ながら、妙にくせのあるリズムと豪華なMVが特徴的な曲です。
KOHHの人気曲②「宇多田ヒカル – 忘却 featuring KOHH」
宇多田ヒカルの楽曲にKOHHが参加した一曲。辛辣でリアルなリリックが宇多田ヒカルの描く世界観とマッチした一曲です。
KOHHの人気曲③「”John and Yoko”」
優しい曲調に深いリリックが印象的な楽曲。「血が繋がってるように思えるくらい
考えてることもなんでか同じ」とリリックにあるようにジョンレノンとオノヨーコとKOHH自身が似ていることを暗に歌っています。
編集部おすすめ曲「”JUNJI TAKADA”」
高田純次のラジオでも紹介されて話題を呼んだ楽曲。適当にその場で思いついた言葉をリリックにし、30分ほどで完成まで到達した一曲として有名です。
KOHHと仲のいいラッパー
KOHHは客演も多く、地元に根付いた活動をしているため仲のいいラッパーもとても多いことで有名です。
その中でも地元の団地から一緒だったMonyHorseと、日本のヒップホップシーンを代表する般若の2人を紹介していきましょう。
MonyHorse
MonyHorseは、幼少期にフィリピンから日本に移り住んだ後、団地でKOHHと出会いました。彼らは共に育ち、音楽の道を歩む中で絆を深めていきます。18歳の時、KOHHとのコラボ曲をリリースし、ヒップホップシーンから注目を浴びました。
彼の音楽は、その独特のスタイルとエネルギーで聴衆を魅了し、KOHHとのコラボレーションは彼の才能をさらに際立たせたのです。
般若
般若とKOHHは、般若の8枚目のアルバム「#バースデー」に収録されている「家族」で共演しています。この曲では、般若のリアリティのあるリリックに対抗するように、KOHHも凄惨なリリックで話題となりました。
彼らのコラボレーションは、両者の異なるスタイルと強烈な表現力が相まって、聴衆に強い印象を残しました。般若とKOHHは、それぞれの個性と才能を持ち合わせ、この曲を通じてヒップホップのファンに新たな刺激を与えています。
気になるKOHHのアレコレ
気になるKOHHのアレコレについて紹介していきます!
KOHHのファッション
KOHHのファッションは、ヴェルサーチやシャネルなどの高級ブランドを好んで愛用しています。彼は特にインパクトのあるデザインを好み、その選択は彼のクールなイメージと相まって強い印象を与えるでしょう。
KOHHの全身に彫られた刺青とも調和し、彼のファッションは彼の個性とスタイルを際立たせます。KOHHのファッションは、彼の音楽と同様に、斬新で洗練されたアプローチを示すものです。
KOHHの彼女
KOHHの彼女として名前が挙がるのが女優の「宮本彩菜」ではないでしょうか。衝撃的だったのは、宮本彩菜のインスタグラムでKOHHがクンニをしている動画が流出したことです。
真偽は定かではなく動画も消されましたが、現在もインターネット上には残される結果となり、KOHHに近い人物が確認できます。
かつては結婚する噂もありましたが、現在ではまだ関係が続いているのかどうかも定かではありません。
KOHHの家族
KOHHの父親は、彼が2歳の時に亡くなり、母親と弟の3人で公団住宅にて暮らしていました。しかし、母親は薬物中毒となり、最終的には義母に育てられることになります。
KOHHのリリックには、この幼少期の体験が頻繁に登場しますが、どれも辛辣な映像がはっきりと浮かび上がるものです。彼の家族の背景は、彼の歌詞や音楽に大きな影響を与えており、そのストーリーテリングは多くのリスナーに深い感銘を与えています。
KOHHのこれからの野望とは?
個人名義で復帰したKOHHは、現在曲のストックが1万曲以上あることを公表しています。リリースされていない曲がたくさんあり、これからも曲を積極的に発表していく意欲を持っていることをインタビューで語りました。
まずは「チーム友達」のリミックスが続々と登場し、KOHH自身もチーム友達の進化に期待しているとのこと。これから出てくる個人名義の曲に期待が持てますね。
ラッパーKOHHまとめ
「KOHHは父の死という困難を、友達で乗り越えた。」
KOHHは幼少期の父の死という凄惨な体験を、ヒップホップを通じた横のつながりを大切にすることで乗り越えてきました。ラッパーとして過去の家族への思いや、自身の経験を曲に込めて制作しています。
「幼い頃の忘れられない経験が心に影を落とす」という悩みは、誰もが持っているものです。
そんな方は、KOHHのように①切磋琢磨し、夢を語り合える友達を持つこと。そして、②自身の経験をストレートに表現し、改めて本当の悩みと向き合うことで、どんな悩みも乗り越えられるのではないでしょうか。
まずはKOHHの「JUNJI TAKADA」を聴いて小さな悩みを吹き飛ばしてみてください!復帰後も、1万曲以上のストックがあるKOHHの活躍から目が離せませんね!